研究課題/領域番号 |
13470403
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 美砂子 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (20207773)
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研究分担者 |
松田 武久 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60142189)
渡邊 武 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
赤峰 昭文 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00117053)
平田 昌子 九州大学, 歯学部附属病院, 助手 (10153769)
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キーワード | 遺伝子導入治療 / 象牙質・歯髄再生 / Gdf11 / Bmp11 / 歯髄組織幹細胞 / 修復象牙質 / 象牙芽細胞 / Dentin Sialoprotein |
研究概要 |
本研究は、より早期に大量かつ確実に修復象牙質を誘導する「生体外遺伝子導入幹細胞移植による覆髄法」という全く新しい、象牙質・歯髄再生医療技術の開発を目的とする。まず、ウシ前歯部歯髄から歯髄細胞を分離し、三次元的なpellet cultureを行い、培養14日目よりヒトリコンビナントBMP蛋白質を添加した。これにより、歯髄細胞の基質形成が促進され、培養21日目では、象牙芽細胞の分化マーカーであるDentin Sialoprotein(Dsp)の発現がみられ、骨様の象牙質形成がみられた。同様にイヌの歯髄から歯髄細胞を分離し、BMP蛋白質を添加し、培養21日目のpelletを同一個体のイヌの犬歯の生活歯髄切断面に応用したところ、1ケ月後には、歯髄切断面は骨様象牙質で被覆されていた。このことから、生体外法を用いて、培養歯髄細胞にBMPを応用することにより象牙芽細胞に分化させ、形成された基質とともに生体内へ移植する方法が、象牙質再生に有効であることが示唆された。次に、培養歯髄幹細胞に電気的にGdf11/BMP11-pEGFP-TIMP遺伝子を導入し、pellet cultureを行った。1日後、フローサイトメーターにて測定したところ、導入効率は約65%であり、導入された遺伝子によりGFPが細胞内に発現していることを共焦点レーザー顕微鏡にて確認した。7日後にGdf11-pEGFP-TIMP遺伝子導入pelletをWhole mount in situハイブリダイゼーションするとDspのmRNA発現が認められ、歯髄幹細胞に導入されたGdf11遺伝子が機能して象牙芽細胞への分化を促進していることが示唆された。同様にイヌの歯髄細胞にGdf11遺伝子導入し、培養14日目のpelletを同一個体のイヌの犬歯の生活歯髄切断面に応用したところ、3ヶ月後、歯髄切断面に大量の骨様あるいは細管象牙質が形成され、Gdf11生体外遺伝子導入法の有効性が示唆された。
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