研究課題/領域番号 |
13470404
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
林 善彦 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20150477)
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研究分担者 |
大原 直子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80301365)
柳口 嘉治郎 長崎大学, 歯学部附属病院, 講師 (50264255)
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キーワード | 水溶性キトサン / キトサンオリゴ糖 / 生物学的石灰化 / アルカリフォスファターゼ |
研究概要 |
本年度は、水溶性キトサンの生物学的石灰化促進作用について培養骨芽細胞使って検討を加えた。ヒト骨肉腫由来の株化骨芽細胞(NOS-1)を使用した。NOS-1細胞は、有機リン酸塩を培地に添加すると石灰化を生じさることは、すでに報告している。 今回、共同研究を行っている韓国の釜慶大学校化学科の金世権教授の研究室より脱アセチル化度90%、分子量1000以下のキトサンオリゴ糖を入手し、α-MEMに添加ののち培養を行った。培養初期への影響として、培養3日目、0.005%という極低濃度で対照群と比べて有意にアルカリフォスファターゼ活性の上昇が認められた。このことは、キトサンオリゴ糖の生理活性物質としてのそこで、培養3日目に細胞を回収しトータルRNAを分離した。これより、RT-PCR法にてcDNAを合成しマイクロアレー法で発現しているmRNAの検索を行った。その結果、16の遺伝子が同定されたので、これらに対するRT-PCRを実施し確認を行った。対照群に比べて増強の見られた遺伝子のうち興味あるものとして、CD56抗原と組織型プラスミノーゲンアクティベーターに注目した。前者は、細胞増殖と関連し後者は分裂に関連しているとされている。これらの内容は、平成14年12月4〜7日に、シンガポールで開催された国際生物医工学会議で発表を行い、幸いなことに優秀論文賞を受賞することができた。 今後さらに、キトサンの骨芽細胞増殖、分化への直接的な影響を解明するため、細胞内でのシグナル伝達機構の面から検討する必要性がある。
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