研究課題
基盤研究(B)
1.バーやポイントに依存していた従来研削法は、モーター音の低減化に対する多くの研究が行われているが、いまだに十分なものとはいえない。Airbrasion装置やウォータージェット装置の噴射音はきわめて小さく、恐怖心を誘発する高音域を伴わないため、患者の音による恐怖心をかなり軽減できるものと期待される。測定の結果、タービンの騒音は大きく、ローとハイを切り替えても騒音の大きさにほとんど変化は見られなかった。ウォータージェットはエンジンよりも小さな値を示し、騒音軽減に効果的であると考えられる。2.酸により人工的に形成した脱灰エナメル質表面を水噴流の噴射圧力を変えて除去加工し、表面性状と研削孔の形態を観察した。0.5Mリン酸や酢酸で6hr処理した面は、9.8MPa/6sec-30secの噴射条件では、処理面の変化は全く観察されなかった。しかし、噴射条件を19.6MPa/6secにすると、深さ約10μmの研削孔が観察された。噴射時間を12、18secと増加すると、研削孔の深さは約20μmから約30μmと増加した。しかし、30sec以上噴射しても、研削孔の深さに変化が見られなかった。3.ウォータージェットをエナメル質う蝕部除去に応用するための可能性について検討した。その結果、健全な象牙質やエナメル質を残すには、シリンダー圧を300kgf/cm^2以下で高速水を噴射すれば良いこと、また、噴射圧は最大でも500kgf/cm^2以下でよいことがわかった。4.試作した小型ウォータージェット装置で、歯科用セメント及びコンポジットレジンの加工性能を検討した。試験片にくぼみを作ることができる375kgf/cm^2のシリンダー圧の場合、試験片が受ける荷重は60-70gfである。通常の咬合圧から推測すると、この荷重は歯牙や歯根膜にほとんど影響を及ぼさないものと考えられる。
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