研究課題/領域番号 |
13470429
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
朝比奈 泉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30221039)
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研究分担者 |
丸岡 豊 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10323726)
西頭 英起 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00332627)
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70161049)
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キーワード | 再生療法 / 遺伝子治療 / 骨形成たんぱく質 / 遺伝子活性化基質 / 硬組織再生 |
研究概要 |
本年度は3つの戦略で遺伝子治療による硬組織の再生を試みた。 1)遺伝子導入細胞による骨形成 昨年度から継続してin vitroで遺伝子導入を行った細胞による骨誘導を検討した。昨年作製した、蛋白発現ベクターhBMP-2-pcDNA3をHEK293細胞に導入し、遺伝子導入された細胞を担体とともにヌードマウス背部皮下への移植実験を行った。この際、細胞の担体としてコラーゲンスポンジ、ゼラチンスポンジ、ハニカムポア構造を持ったコラーゲンスポンジ(ハニカムコラーゲン)の三種類を用いた。その結果、ハニカムスポンジを担体としたものだけに骨形成を認めた。 2)in vivoエレクトロポレーションによる遺伝子導入 蛍光物質GFPをもったプラスミドを含むコラーゲンスポンジをラット背部皮下に移植し、24時間後に50〜100V、50msec x 5回の条件でエレクトロポレーションによる遺伝子導入を試みた。24時間後に組織を摘出したところ、わずかな細胞のみが蛍光を発し、遺伝子取り込みが非常に少なかった。エレクトロポレーションの時期、電圧等の条件、電極の種類、プラスミドの担体等の検討が必要である。 3)遺伝子活生化基質による遺伝子導入 GFPプラスミドをコラーゲンゲルに混合し、凍結乾燥を行ったものをラット皮下に移植し2週後に摘出したが、細胞への遺伝子の取り込みはほとんど無かった。しかし、コラーゲンゲルにカルシウム化合物を混合することによって、DNAの分解が妨げられ、遺伝子の取り込みが大幅に向上することを見いだした。今後、hBMP-2-pcDNA3を用い実際の骨欠損の場で、遺伝子活性化基質による骨再生を検討する予定である。
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