| 研究課題/領域番号 |
13470434
|
|---|
| 研究種目 |
基盤研究(B)
|
| 配分区分 | 補助金 |
|---|
| 応募区分 | 一般 |
|---|
| 研究分野 |
外科系歯学
|
|---|
| 研究機関 | 岡山大学 |
|---|
研究代表者 |
宮脇 卓也 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00219825)
|
|---|
| 研究分担者 |
櫻井 学 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (50225843)
嶋田 昌彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40170948)
糀谷 淳 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60304325)
金子 譲 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085747)
一戸 達也 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40184626)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
| キーワード | アデノシン三リン酸 / 口腔外科 / サイトカイン / 手術 / 全身麻酔 / 炎症 |
|---|
| 研究概要 |
本研究は口腔外科手術に対して、アデノシン三リン酸(ATP)製剤を投与することによる、臨床的な抗炎症作用を評価することが目的である。対象は本研究に同意の得られた口腔外科手術患者20名で、すべて同様の麻酔を行った。ATP製剤は手術開始時より10micro grams/kg/分の速度で6時間持続静注した。全身性の炎症反応の指標として、血球反応、血清C反応蛋白(CRP)、体温、術後の疼痛の程度、またサイトカイン反応(血中TNFα、IL-6、IL-10濃度)を調べた。さらに、ヒト末梢血単核球に対する直接的な影響を調べるために、in vitroで末梢血単核球にアデノシンを加え、12時間インキュベートした時の、サイトカイン産生量および遺伝子(mRNA)発現についても評価した。
口腔外科手術患者を対象とした研究の結果として、ATP製剤を投与したATP群において、コントロール群と比較して統計学的有意差は認められなかったが、術後の血清CRPの上昇、術後の疼痛が軽減する傾向がみられた。また、ATP群で血中TNFα濃度の有意な低下がみられた。in vitroの研究では、ヒト末梢血単核球に対してアデノシンは10microMの濃度において、LPS(10ng/mL)刺激下でのTNFαおよびIL-10の産生量を有意に抑制したが、IL-6産生量には影響を及ぼさなかった。遺伝子発現については、TNFαおよびIL-10においては、同様に抑制傾向はみられたが、有意差はみられなかった。IL-6においては影響は認められなかった。
以上の結果より、口腔外科手術に対して、ATP製剤を投与することによって、血中TNFα濃度が抑制されることが明らかになり、手術に伴う炎症反応を抑制する可能性が示唆された。
|
