• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

口腔癌の発症過程におけるp53非依存性経路の関与

研究課題

研究課題/領域番号 13470439
研究機関昭和大学

研究代表者

南雲 正男  昭和大学, 歯学部, 教授 (70013993)

研究分担者 伊東 大典  昭和大学, 歯学部, 講師 (40286844)
岩瀬 正泰  昭和大学, 歯学部, 講師 (50193743)
キーワード癌化 / 発癌物質 / p53 / p21 / ATM / MDM2 / 口腔白板症 / p53非依存性経路
研究概要

C57BL/6野生型マウスに発癌物質(4-NQO, Benzopyrene)を投与し、経時的に舌を採取して組織学的に検討するとともに、p53,Rb,および細胞周期関連遺伝子と蛋白の発現変化を検討した。また、同意の得られた口腔白板症症例についてATM, p53,およびMDM2の発現と上皮異形成との関連を検討し、癌化過程におけるp53非依存性経路の関与を検討した。
1 発癌物質投与により、舌粘膜上皮に角質層の肥厚,棘細胞の極性の乱れなどが見られ。経時的にそれらの変化が顕著になっていった。
2 発癌物質投与1週後にはp53およびRbの発現が増強されたが、3週以後にはp53の発現は減弱した。一方、p21は蛋白およびmRNAレベルで増強されていた。また、細胞周期促進因子であるCyclineD1およびCDK4の発現が経時的に増強された。
3 発癌物質投与によりp21の発現増強が認められるとともにRbの燐酸化の亢進が見られ、p53非依存性にp21が誘導されるかp21を分解するユビキチン-プロテオソーム系の異常が起きている可能性が示唆された。
4 口腔白板症では、上皮異形成が強くなるほどp53の発現が強くなるが、癌化するとその発現はやや減弱していた。また、ATMの発現と上皮異形成との関連は認められなかったが、MDM2の発現は上皮異形成の程度と関連し、さらに癌化すると高発現していた。MDM2はユビキチンリガーゼ活性をもちp53を分解することから、これらの結果と考え合わせるとMDM2はp53非依存性にも癌化過程に関与している可能性が示唆される。
以上の結果から、発癌の初期過程においてはp53依存性経路の関与が、それ以降ではp53非依存性経路が関与することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Toyosima T, et al.: "Inhibitor of cyclooxygenase-2 induces cell-cycle arrest in the epithelial cancer cell line via upregulation of cyclin dependent kinase inhibitor p21"Br J Cancer. 86巻. (2002)

  • [文献書誌] 松本孝夫: "口腔白板症におけるATM, p53およびMDM2の発現"日本口腔粘膜学会雑誌. 9巻1号(in press). (2002)

  • [文献書誌] Li MH, et al.: "Effect of 5-fluorouracil and cisplatin on G1 phase cell cycle regulation in oral Cancer cell lines"Eur J Cancer. (in press). (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi