研究課題/領域番号 |
13470444
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
瀬戸 かん一 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60064367)
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研究分担者 |
近藤 壽郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (70178416)
高垣 裕子 神奈川大学, 歯学部, 講師 (60050689)
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キーワード | 機械的刺激 / 伸展刺激 / low-intensity pulsed ultrasound (LIPUS) / osteocycte / 仮骨延長術 / primary cell culture / osteoblast / human facial bone |
研究概要 |
1、ヒト顔面骨骨系細胞、大腿骨骨系細胞の単離と培養 分化した骨芽細胞及び骨細胞の単離と培養に関しては、既に報告した方法(J. Bone Miner. Res. vol.10及びCalcif. Tissue Int. vol.57)に準じた。 2、骨系細胞に対する機械的外力の負荷 機械的外力はフレクサーセル社製の細胞伸張装置を用い(Endocrinology vol.137及びB.B.R.C. vol.264)、培養皿の底のコラーゲンコートしたシリコン膜の上にマトリゲルと細胞を移し、接着培養する独自の方法を採っている。伸張刺激の強度は、細胞の等倍延長をIE(ストレイン)として、0.4%の延長すなわち4000μEとした。これはサイクル数が一定で有ればこのくらいまでの延長では変化率に比例して骨の断面積が増加すること、ヒトなどの運動に伴う生理的な変形は2000〜3000μEであること、骨折レベルの変形は25000μEと大きいことなどを考慮している。また、帝人杜製低出力超音波パルス装置(図2:神奈川歯科大学に設置されている)を用い(B.B.R.C. vol.268)、20分間超音波刺激を与え、刺激前、刺激開始後15分、6時間、24時間後の細胞の応答を観察した。 3、骨系細胞に対して機械的外力が及ぼす影響の検討 細胞が機械的外力の負荷された状態で示す増殖、基質合成や石灰化の変化は、既に報告した方法(J. Bone Miner. Res. vol.10)で調べた。特に今回は2で示した様々な条件変化を行い、オステオカルシンなどの基質タンパクやIGF-1(インスリン様増殖因子)(B.B.R.C. vol.246)等についてRT-PCR法を用いて、今回申請の泳動器にて電気泳動を行い、発現を比較し、上顎骨、下顎骨と大腿骨の差について検討した。 4、結果 パルス波である超音波刺激と持続的な力の伸展刺激では目標とする細胞が異なり、前者は未分化な細胞から骨芽細胞への分化に、後者は骨芽細胞と骨細胞のカルシュウムイオン流入に重要な役割を果たしていることが判明しつつあり、両者は経路の重複はあるものの、異なる伝達経路を持つことが予測された(投稿準備中)。また、大腿骨と顔面骨の機械的刺激に対する反応は、臨床的事例を説明できるほどではないものの、異なる反応を見せた。これは骨膜由来の顔面骨系細胞と骨髄由来の大腿骨系細胞を比較したために生じた結果とも考えられ、追試験の上、投稿を検討する。
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