研究課題/領域番号 |
13470444
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
瀬戸 かん一 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60064367)
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研究分担者 |
近藤 壽郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (70178416)
高垣 裕子 (MIKUNI YUKO) 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60050689)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 機械的刺激 / 伸展刺激 / low-intensity pulsed ultrasound(LIPUS) / osteocyte / 仮骨延長術 / primary cell culture / osteoblast / human facial bone / cox-2 |
研究概要 |
平成13年度は、骨系細胞の分化程度に着目し、伸展刺激と超音波刺激に対してどのステージで応答するかを調査した。また、どの遺伝子が発現するかを、タイムコースRT-PCRにて観察した。PTH存在下の条件で、PTHの情報伝達経路との関係も観察した。 その結果、伸展刺激に対しては骨細胞が応答し、超音波刺激に対しては骨芽細胞の早いステージの細胞が応答した。骨細胞はPTH存在下で伸展刺激に対して、COX-2、OCやIGF-1について相乗効果を示した。骨細胞は超音波刺激に対し、COX-2、C-fosなどの軽度の上昇を見たが、OCやIGF-1に対しては上昇が見られなかった。PTH存在下で骨芽細胞は、超音波刺激に対してほとんど応答を示さなかった。 こうした事実から、伸展刺激に対する骨細胞の応答と超音波刺激に対する骨芽細胞の応答の情報伝達には一部の重複が存在し(過去の文献より、PGHS2によるCOX-2の上昇によるOCの上昇と考えられる)、かつまったく異なる2つの伝達系が存在していることが判明した。そのうちのひとつがPTHと連動していることから、カルシュウム流入系からのPKAパスウエイであることが推察された。 今後は、骨細胞と骨芽細胞の異なるレセプターについての解明が重要となる。 平成14年度は前年の結果を蛋白レベルの発現で確認し、PCRの結果を裏付けることができた。 また、超音波刺激では骨芽細胞にはカルシュウム流入の系は働いているかを確認するためにGd2+でブロックを行ったが、OCの上昇は止められなかった。さらに直接のCa2+の流入について、調査したところ超音波刺激ではCa2+の流入は確認されなかった。このことから超音波刺激の標的細胞は骨芽細胞で、骨芽細胞についてはCa2+流入の系を通らない情報伝達系が存在していることが推測された。 その系として推測されるのが、Integrinレセプターを介するMAPK Cascade(PKC)である。この途中で、分化・増殖の分かれ目となるPI3Kを阻害すると、オステオカルシンm-RNAの発現は抑制される。増殖の系の途中を阻害してもオステオカルシンm-RNAの発現は抑制されないことから、超音波刺激による分化方向への系がオステオカルシンm-RNAを発現させていることが推測された。さらに、その下流のp-p38について、蛋白レベルでの上昇があるか検討した。その結果、超音波照射した骨芽細胞には上昇が見られ、先の推測を裏付ける結果となった。したがって、超音波照射は骨芽細胞の分化を促進することが示唆された。 現在、vitroで得られた結果をもとに、COX2のメカニカルストレス負荷下における行動を中心に、実験を継続している。
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