• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

咀嚼による求心性刺激が海馬領域の神経細胞の動態ならびに記憶・学習機能に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 13470451
研究機関広島大学

研究代表者

丹根 一夫  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30159032)

研究分担者 加来 真人  広島大学, 歯学部附属病院, 助手 (10325194)
河田 俊嗣  広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (80281161)
キーワードop / opマウス / βアミロイドタンパク / 海馬 / 神経細胞 / アルツハイマー病 / 歯の喪失 / 軟性食品
研究概要

大理石骨病モデルマウスであるop/opマウスは歯胚は存在するものの、口腔内に歯の萌出は認められない。古くから歯の喪失が中枢神経へ悪影響を及ぼす可能性が示唆されているため、今回申請者らはop/opマウスの中枢において何らかの変化が認められるか検討を行った。その結果、1ヶ月齢のop/opマウスでは、コントロール群と比べ海馬における神経細胞数が減少し、アルツハイマー病に特有の病理所見であるβアミロイドタンパクの蓄積を認めた。コントロール群ではβアミロイドタンパクの蓄積はまったく見られなかった。また、食物性状がマウスの記憶・学習能力、および中枢神経へ与える影響を検索する目的で、離乳後より粉末餌にて飼育を1年半行った群を設定し、同週齢のコントロール群との比較検討を行った。その結果、粉末餌飼育群ではコントロール群と比較してモリス水迷路実験の成績が有意に劣っていた。また、それらの中枢における変化として、海馬における神経細胞数の減少、およびβアミロイドタンパクの蓄積が認められた。以上の結果から、歯の喪失、あるいは軟性食物の摂取による咀嚼時の中枢への求心性刺激の減少がβアミロイドタンパクの蓄積を誘発し、記憶・学習能力に影響を与えることが明らかとなった。現在日本は高齢化社会であり、アルツハイマー病に罹患している患者が増加している。今回の研究成果から、歯の喪失と軟性食物の長期摂取がアルツハイマー病を誘発する危険因子の一つであることが示唆された。今後はその発症を予防する有効な方策の探求を行っていく予定である。

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi