研究課題/領域番号 |
13470453
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤瀬 多佳子 九州大学, 大学病院, 助手 (50284518)
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研究分担者 |
二ノ宮 裕三 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50076048)
吉松 博信 大分大学, 医学部, 教授 (00166993)
坂田 利家 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (50037420)
落合 聡 九州大学, 大学病院, 助手 (20315097)
佐々木 康成 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (70332848)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 咀嚼 / エネルギー代謝調節 / 食事性熱産生 / 肥満 / 唾液タンパク質 / 神経ヒスタミン / 交感神経系 |
研究概要 |
近年、食行動調節のメカニズムについて関心が高まってきている。口腔は、食行動の実行の場でありかつ、中枢性食行動調節に関わる数々の感覚情報の発信源であり、食行動調節機構における咀嚼の役割とそのメカニズムを解明することは、口腔の健康の意義を鮮明にする上で重要な課題だといえる。本研究では、一連の消化吸収過程において、咀嚼時の口腔感覚入力が、中枢を介してエネルギー代謝調節にどのような影響を与えているか、また、味覚の受容および情報伝達機構とその生体機能調節について、行動学から分子生物学にわたる多面的アプローチによる解明を試みた。我々は、咀嚼時の口腔内感覚入力が、ヒスタミン神経系を介して、エネルギー摂取過程に影響を及ぼすことを過去に報告した。そこで、本研究では、咀嚼のエネルギー消費過程における役割の解明を目的とした。1回の自由摂食行動に伴う食事性熱産生についてラットで検討したところ、咀嚼時の感覚入力が少ない低硬度飼料摂取群では、消化吸収前の食事性熱産生が減少しており、消化吸収前の食事性熱産生には、ヒスタミン神経系および交感神経系が関与している可能性が示唆された。体成分の比較より、低硬度飼料および液体飼料長期飼育群では、固形飼料飼育群より内臓脂肪の重量%が有意に高いことがわかった。すなわち、同一成分の食事でも性状の違いによって咀嚼時の感覚入力が異なる場合、食事に伴う熱産生に変化が生じ、内臓脂肪の蓄積量にも影響を及ぼすことがわかった。また、唾液タンパク賛の研究より、食物依存性に誘導される唾液蛋白質は、食物に含まれる物質の化学情報の認識と、それに続くより複雑な情報処理過程を経ていることが示唆された。食物の成分中の刺激物は感覚入方経路によって、唾液腺への出力系も異なっている可能性も示唆され、食物刺激の質的相違に対応する特異性の高い唾液蛋白質生合成機構が存在する可能性が示唆された。
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