研究分担者 |
井上 美津子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (20112724)
長谷川 紘司 昭和大学, 歯学部, 教授 (70014024)
後藤 延一 昭和大学, 歯学部, 教授 (10077175)
伊田 博 昭和大学, 歯学部, 助手 (10327934)
五十嵐 武 昭和大学, 歯学部, 助教授 (10159585)
|
研究概要 |
【目的】歯周病の発症と進行において,歯周病原性細菌の感染経路,定着時期を検索するためには,小児期における歯周病原性細菌の存在の有無や分布状態について調べることは重要であると考える.そこで、我々は、歯周病原性細菌であるPorphromonas gingivalis(P.g), Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a)の口腔内におけるこの2菌種の存在の有無を調査することを目的に,PCR法による小児の口腔内からの歯周病原性細菌の検出を試みた.また,歯周病原性細菌の検出結果と臨床診査との関係について検討した. 【対象および方法】対象は7歳から12歳の中国人小児154名である.上顎右側第一大臼歯(UR6),中切歯(UR1)を被検歯とし,プラークサンプルを採取後,DNAを抽出した.2菌種に対して特異的なPCRプライマーを作製し,このプライマーを用いたPCR法により細菌種の有無を確認した.臨床診査は被検歯に対してProbing Depth(PD), Gingival Index(GI), Bleeding On Probing(BOP)の項目について行った. 【結果】P.gの検出結果は,UR6では全体の19.7%であり,UR1では8.5%であった.A.aの検出結果は,UR6では全体の6.3%であり,UR1では2.1%であった.また,年齢が増加するに従い2菌種の検出率は増加傾向にあった.さらに,UR6からP.gが検出された小児のうちPD3mm以上,GI2以上のものが46%,またUR1では16.9%であった。右側第一大臼歯からA.aが検出された小児のうちPD3mm以上,GI2以上のものが56%,また中切歯ではすべてのものがPD3mm以上,GI2以上であった。
|