研究課題/領域番号 |
13470462
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山崎 和久 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00182478)
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研究分担者 |
村田 雅史 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (40303135)
吉江 弘正 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20143787)
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キーワード | 歯周炎 / 動脈硬化症 / HSP60 / P.gingivalis |
研究概要 |
今年度は昨年度の症例に歯周炎を有する動脈硬化症患者10症例を追加して同様の解析を行い、歯周炎のみを有する患者およびいずれの疾患も有していない対照者と比較した。末梢血より単核細胞を分離して、リコンビナントヒトhsp60、P.gingivalis GroELで6日間刺激培養を行い、増殖反応ならびにRT-PCR-SSCP解析によるT細胞クローンの集積を解析した。動脈瘤切除手術時に得られた罹患腹部あるいは胸部大動脈組織よりDNA、RNAを分離し、DNAについてはP.gingivalisの検出に、RNAはRT-PCR-SSCPによるT細胞レセプター遺伝子の解析に供した。また、血清中の抗hsp60、抗P.gingivalis GroEL抗体は定量を行うためにウェスタンブロッティングにかえてELISA法により解析した。術後、パノラマエックス線撮影を含む歯周組織の診査を行い、最深部歯周ポケットよりプラークを採取してP.gingivalisの存在の有無をPCR法で検索した。hsp60、P.gingivalis GroELに対する血清抗体は健常者でもっとも低く、歯周炎患者これに続いた。被験者はいずれのグループよりも有意に高い抗体価を示した。hsp60、P.gingivalis GroEL刺激により増殖するT細胞クロノタイプの数は動脈硬化症患者群で最も高く、特にhsp60に対して反応性が上昇していたが特定のVβファミリーに限局した現象ではなかった。以上のことより、歯周炎は細菌性、内因性のhsp60に対する体液性、細胞性免疫応答を亢進させることにより動脈硬化症のリスクになっている可能性が示唆された。
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