研究概要 |
本研究では、沖縄産ヒラムシに共生する渦鞭毛藻Ampidinium sp.の抽出物より単離したマクロリドAmphidinolide類(B, C, G, Hなど)について、1)高生産株の発見および高生産条件の開発、2)新規関連マクロリドの分離・構造決定、3)分光学的手法と合成手法を合わせた高次立体構造の解明、4)構造類縁体の合成、5)構造活性相関の解析と分子設計、6)活性発現機構その標的分子の解明、7)生合成経路の解明、を目的とする。 1)共生藻のコレクションより、Amphidinolide C, G, Hの高生産株を得た。 2)NMRデータの解析、X線結晶解析、分解反応、セグメントの合成により、Amphidinolide C, E, G, H,およびG, H関連マクロリドの絶対立体配置を明らかにした。 3)^<13>C-標識酢酸の取り込み実験の結果、Amphidinolide B, C, G, Hには、通常のポリケチド生合成では説明できない複数のセグメント(m-m)が含まれることを見い出した。一方、Amphidinolide G, Hと類似の骨格をもつAmphidinolide Bは、Amphidinolide G, Hとは異なる酢酸の取り込みパターンを示すことを明らかにした。 4)Amphidinolide G, H,および関連マクロリドについて細胞毒性を指標に構造活性相関を検討し、活性に重要な構造因子を明らかにした。 5)新たに得られたAmphidinolide Wを単離し、構造を明らかにするとともに立体化学を解明した。、さらに、^<13>C-標識酢酸の取り込み実験を検討し、通常のポリケチド生合成では説明できない特異な酢酸の取り込みパターンを見い出した。 6)ホヤ由来のマクロリド化合物イエジマリドBについて、NMRデータの解析、分解反応、セグメントの合成により、分子中5個の絶対支体配置を明らかにした。
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