研究課題/領域番号 |
13470466
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井原 正隆 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00006339)
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研究分担者 |
高須 清誠 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (10302168)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | カスケード反応 / 不斉合成 / 立体化学 / 遷移金属触媒反応 / 生理活性化合物 / 分子内ダブルミカエル反応 / 分子内ミカエル・アルドール反応 / 炭酸ガス固定 |
研究概要 |
薬理活性化合物の多くは多様な官能基が存在する多環状構造を持つ。我々はこれらの効率的な構築法を開発する目的で、単一の反応で複数の結合が一挙に生成する多連続反応について検討を行っている。その反応条件としてはイオン反応、ラジカル反応、遷移金属触媒反応、ペリ環状反応などのあらゆる有機化学反応を駆使することによって、汎用性と効率性の追及を行った。 まず我々が以前開発した、分子内ダブルミカエル反応および分子内ミカエル・アルドール反応について、不斉反応への展開を検討した。不斉補助基を利用してのジアステレオ面選択的な反応は高い立体体選択性の下に、好収率で反応を行うことが出来た。一方外部不斉触媒によるエナンチオ面選択的な反応の開発を目指して、不斉アミン、不斉ルイス酸について幅広い研究を行った結果、触媒化には成功したものの、十分な不斉収率を得るには至っておらず、さらなる検討を行っている。この詳細な検討によって反応機構の全貌が次第に明らかにされつつある。またミカエル・アルドール反応については分子間反応としての利用が可能となり、アルミニウム触媒によって、他の方法では構築困難な四員環に縮環した化合物を効率的に合成することが可能となった。一方、最近我々が開発した炭酸プロパルギル化合物をフェノールの存在下に、パラジウム錯体で処理して、環状炭酸エステルへ一挙に変換する方法は、原子経済性にすぐれ地球の温暖化に関わる炭酸ガスの再固定の面からも非常に興味深い。そこで不斉リガンドの存在下での反応について検討を行った。その結果キラルなBINAPを触媒量用いることによって、90%以上の不斉収率が可能であることが明らかにされた。本反応の成績体は様々な薬理活性化合物へと誘導可能な官能基を有しており、有用なキラル素子として利用することが期待できる。本多連続反応は今までにない反応形態であり、すでに反応機構の解明に必要な知見も得られ、さらなる展開を検討中である。
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