研究課題
基盤研究(B)
ノルゾアンタミン:必要な官能基もしくはその等価体を有する単環性中間体から一挙に五環性のアミナール骨格に誘導する方法論を確立した。この方法論を全合成に利用すべく検討した結果、Whieland-Miescherケトンから出発するB、C環部分合成への見通しを立てることができた。さらに検討した結果、Whieland-Miescherケトンにかわり、6-5員環化合物から出発するほうが効率が良いことが明らかとなり、ABC環部分の合成に成功した。既に開発している五環性アミナール骨格を構築する方法論を適用すべく、官能基変換を行い全合成を目指している。エポラクタエン:全合成において課題であったいくつかの工程の改良を行った。その結果、従来はアルドール反応、続く酸化の二段階の工程が必要であったアシル基の導入が、酸フッ化物を用いることにより、一段階で可能となる方法を開発することができた。さらに、細胞内標的探索のための分子プローブの合成とファージディスプレー法によるバイオパニングを行った。アカテルピン:立体化学が未確定であったアカテルピンの構造に関して、可能な構造を二つに絞り込むことに成功し、さらに、そのうちの一つの化合物の合成を行った。スペクトルデータは天然物と良い一致を示し、同一化合物である可能性が高い。残る一種類の合成を行っている。また、マジンドリンの全合成の過程で得られたビニルケテンアセタールに興味をもち、その反応性について検討した。その結果、ビニルケテンアセタールは、四塩化チタンの存在下に各種カルボニル化合物を反応させるとビニロガス向山アルドール反応が極めて高立体選択的に進行することを見出した。
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