研究課題/領域番号 |
13470477
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋田 充 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20135594)
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研究分担者 |
西川 元也 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40273437)
山下 富義 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (30243041)
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キーワード | ドラッグデリバリー / ターゲティング / DDS / リポソーム / 糖修飾 / エンドサイトーシス / 受容体介在性 / 体内動態 |
研究概要 |
本研究では、生体内で細胞特異的デリバリーなど高度な機能特性を発揮する第三世代のリポソーム製剤の開発をリードするため、細胞特異的認識素子の表面導入、あるいは各種生体成分との相互作用の制御の指針となる総合的な設計戦略を確立し、同時に実用性の高い表面制御技術を開発することを目的とし、ガラクトースおよびマンノースリポソームを用いた、遺伝子デリバリーの評価をin vitroおよびin vivo実験によりおこなった。カチオン性リポソームに各種糖修飾を施しプラスミドDNAと静電的相互作用により複合体を調整した。それぞれリガンドとして認識する細胞を用いて、リガンドとレセプターの相互作用をin vitro実験で評価した。各レセプターに対する競合阻害実験により、各種糖修飾リポソーム・プラスミドDNA複合体がそれぞれ特異的な認識を介してエンドサイトーシスの機構により細胞へ取り込まれていることが明らかとなった。さらに、マウスを用いたin vivo実験で評価したところ、各種糖修飾リポソーム・プラスミドDNA複合体を生体内に投与後、それぞれ特異的な認識を介してエンドサイトーシスの機構によりそれぞれレセプターが高発現している細胞選択的に取り込まれ、高い遺伝子発現に至っているとが明らかとなった。また、糖修飾リポソームの脂質組成が生体内での遺伝子導入効率に大きく影響することを明らかにし、カチオン性リポソームへのリガンドの導入だけでなく脂質組成の選択が遺伝子の導入効率に重要な因子であることを示した。さらに、生体内に投与後、複合体は赤血球との相互作用によりその物性が大きく変化し、体内動態に影響を与えることも明らかにした。
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