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2002 年度 実績報告書

膜電位依存性トラップ機構によるがんの核医学診断用放射性薬剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13470478
研究機関京都大学

研究代表者

佐治 英郎  京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)

研究分担者 向 高弘  京都大学, 医学研究科, 助手 (30284706)
間賀田 泰寛  浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (20209399)
キーワードミトコンドリア / 膜電位 / 脂溶性カチオン / ロダシアニン誘導体 / 放射性ヨウ素 / 腫瘍 / 核医学診断薬
研究概要

腫瘍の核医学診断を可能とする放射性薬剤には、静脈投与後の細胞への集積状態の相違により、正常細胞から腫瘍細胞を識別できることが要求される。本研究では、正常細胞に比べて腫瘍細胞のミトコンドリアの膜電位がより負に帯電していることに着目して、この電位差を利用して腫瘍に高い集積を示す、脂溶性カチオン型の新しいタイプの腫瘍診断用放射性薬剤を開発することを計画した。そのため、正電荷を非局在的に有する放射性ヨウ素導入脂溶性カチオンMKT-077(benzothiazolidene、oxoimidazolidine、N-ethyl-piridium環を共役的に結合させたrhodacynanine誘導体)を母体化合物として、そのπ電子の局在性に影響を与えない部位であるbenzothiazoIidene環のNに、p-ヨードーフェニル基を導入した化合物、iodo-MKT-077を設計し、その放射性ヨウ素^<125>I標識体を合成した。さらに、この合成された[^<125>I]IBMKTを種々の腫瘍細胞とインキュベートし、それらの細胞への取り込みを調べた結果、いずれの細胞においても、時間と共に取り込みは増加するとともに、その取込み率は、コントロールのNIH3T3に比べ、2〜7倍高いことが認められた。また、各腫瘍細胞およびNIH3T3細胞のミトコンドリア内膜電位を調べ、[^<125>I]IBMKTの取り込み率と比較したところ、膜電位が低いほど[^<125>I]IBMKTの取り込みは高くなることを認め、両者には高い負の相関性があることが示された。これらの結果から、[^<125>I]IBMKTの細胞への取り込みはミトコンドリア内膜電位に依存する可能性が示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hideo Saji: "Evaluation of radioiodinated 5-iod-3-(2(S)-azetidinylmethoxy)pyridine as a ligand for SPECT investigations of brain nicotinic acetylcholine receptors"Ann.Nucl.Med.. 16. 189-200 (2002)

  • [文献書誌] Takayuki Morimoto: "Drug design of a tumor imaging agent based on mitochondrial membrane potential"Jpn.J.Nucl.Med.. 39(3). 409-409 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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