研究課題/領域番号 |
13470479
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
升島 努 広島大学, 医学部, 教授 (10136054)
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研究分担者 |
新垣 知輝 広島大学, 医学部, 教務員 (80314748)
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キーワード | ビデオマイクロスコープ / 質量分析 / ポストプロテーオーム解析 / ビデオ-マススコープ / 画像解析 / 可視化解析 / プロテオーム / ポストゲノム |
研究概要 |
1.細胞・組織の分子群一斉解析-質量分析法の開発 (1)MALDI-TOF質量分析による細胞内分子一斉分析法の確立 細胞1ケをビデオで見ながら、それをマイクロピペットにより捕捉し、それをMALDI-TOF用サンプルプレート上に落とし、マトリックス液を付加して、MALDI-TOF質量分析に賦すまでの技術を、ミクロステージやミクロ吸入器を使って確立することに成功した。この技術を使って、繊維芽細胞上で成熟して行くアレルギー起因細胞、マスト細胞の成熟過程を、時間を追って細胞を取り上げ測定に賦す(1細胞MALDI-TOF質量分析(現在、世界的に5研究室の成功のみ)と、ヒスタミンの細胞内含量が成熟に従って増加して入ることが分かり、世界初のシングルセルMALDI-TOF質量分析による細胞間相互作用解析の成功となって、専門誌に発表した所、新聞(日刊工業新聞、中国新聞)も取り上げ、公表された。 (2)分子トラップLC-MSインターフェイスの構築 ミクロキャピラリーの先端加工技術を確立できたので、その技術を活用し、先端に分子捕捉用の樹脂を詰めた、ミクロ分子トラップチップの開発に着手した。現在、その形は出来、有効に前処理濃縮と質量分析に悪影響を及ぼす塩の脱塩にもなり、その有効性を検証した。チップとしての安定な性能を出すためのハード創りが来年の課題となる。 2.動的分子トラップ技術の確立 細胞外の液をビデオで細胞変化を捉えながらマイクロピペット先端から微量吸引ポンプで吸入し、これをODSミクロカラムに通し、前処理濃縮し、その後直接4重極型質量分析に賦し、細胞外に放出されたヒスタミン、セロトニン、PAFを同時に定量的に測定することに成功し、日本薬学会年会で報告する。問題は感度と操作性であり、感度はまだ1万細胞と1細胞への距離がある。上記のチップの開発との連携が必須である。操作性は、来年ロボット化を試みるので、それによって解消したい。 ほぼ予定の研究課題を順調にクリアーし、本手法確立に明るい兆しが見えている。
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