研究課題/領域番号 |
13470485
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 一夫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20174782)
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研究分担者 |
松本 直樹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (40239108)
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キーワード | カーゴレセプター / ERGIC-53 / VIP36 / レクチン / 糖結合特異性 |
研究概要 |
細胞内での選別輸送にかかわるcargo receptorであるERGIC-53とVIP36は、植物マメ科レクチンと相同性を持つ糖結合性のレセプターである。植物マメ科レクチンを用いた一連の研究から、我々は糖認識部位の一部であるloop 1にランダムなアミノ酸で置換することにより、さまざまな糖結合特異性を持つ人工レクチンを作成することができた。この手法をcargo receptorに適応することを考え、ERGIC-53ならびにVIP36改変ライブラリーを作成した。これらのライブラリーをMDCK細胞、CHO細胞にリポフェクトアミンを用いてトランスフォーメーションし、発現した細胞をG418で選別を行った。これら改変cargo receptorを発現させた細胞集団を、はじめに16種類のレクチンで染色し、細胞表面上の糖鎖の変化を調べた。次に磁石あるいは蛍光で標識した二次抗体で染色したのち、磁気ビーズを用いたMACSあるいはフローサイトメトリーにより細胞表面糖鎖の変化した細胞集団を選別し培養を行った。用いたレクチンの中で特に変化の顕著だったピーナッツレクチン(PNA)をプローブに用いてさらに検討を進めた。この選別・濃縮の方法を2回繰り返した後、限界希釈法で細胞のクローン化を行い、PNAとの反応性が100倍に上昇し細胞表面糖鎖の変化した細胞のクローンを取得した。これらのクローン細胞は改変したVIP36によって細胞表面に異なる糖鎖を提示したことが予想されることから、これらの細胞に導入された遺伝子をRT-PCRを用いて調べたところ、内在性のVIP36に比べて10倍以上の発現が見られ、その改変VIP36遺伝子の塩基配列も明らかになった。
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