研究課題/領域番号 |
13470487
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
米田 幸雄 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (50094454)
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研究分担者 |
檜井 栄一 金沢大学, 薬学部, 助手 (70360865)
谷浦 秀夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (80263325)
中村 洋一 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90180413)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | グルタミン酸シグナル / ストレス負荷 / トラウマ / 神経系前駆細胞 / BrdU取り込み活性 / 海馬歯状回顆粒細胞 / クラスター形成 / 神経細胞新生 |
研究概要 |
成熟脳においても脳室下帯や海馬歯状回においては、発達脳の場合と同様に神経系前駆細胞が存在して、ニューロン新生が行われることが明らかとなっている。したがって、成熟マウス海馬歯状回に発現する神経系前駆細胞のストレス負荷に伴う影響について、新規DNA合成の指標となる、5-bromo-2-deoxyuridine (BrdU)の取り込み活性により検討を行った。その目的で、成熟Std-ddY系雄性マウスを金属製のストレスケージにより拘束して、25℃の水浴中に鎖骨下まで各時間浸してストレス負荷を行った。胃粘膜に対するストレス負荷の影響は検鏡により確認した。BrdU(50mg/kg)は、ストレス3時間負荷直後と12時間後に合計2回腹腔内投与した。最初のBrdU投与から24時間後に、4%パラホルムアルデヒド液を用いて動物の灌流固定を行ったのち、厚さ50μm凍結海馬冠状切片を作成し、BrdU抗体を用いて免疫組織化学法を行った。両側の海馬におけるsubgranular layerおよびhilus内のBrdU陽性細胞数、クラスター形成細胞数、およびクラスター数をそれぞれ計測して定量化した。その結果、動物へのストレス負荷時間の長さに依存して、激しい出血性胃粘膜傷害が認められた。成熟マウス脳海馬歯状回では、顆粒細胞層および側脳室下帯においてそれぞれBrdU陽性細胞が検出されたが、海馬歯状回において観察された陽性細胞数はBrdU投与後時間経過に伴って減少した。動物にストレスを3時間負荷すると、海馬歯状回で検出されたBrdU陽性細胞数、クラスター形成細胞数、およびクラスター数は、いずれも対照群に比べて有意に減少した。以上の結果から、成熟動物へのストレス負荷は、海馬歯状回に発現する神経系前駆細胞の増殖能を抑制する可能性が示唆される。
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