スフィンゴ脂質による巨大多核細胞産生モデル系を用いて、globoid cell産生メカニズムを明らかにするなかで、スフィンゴ脂質が関与する生体シグナルを明らかにしていくために、以下の点について検討を加えた。 (1)出芽酵母用いた遺伝子クローニング 出芽酵母に於いてはPsychosine投与により、細胞周期進行阻害され最終的に酵母の増殖は停止する。そこで、これを利用しPsychosine投与による増殖阻害を回復させる遺伝子のクローニングをmulticopy libraryを酵母にトランスフェクションし、耐性を獲得した酵母から、導入された遺伝子を単離した。こうして現在4個の遺伝子の単離に成功した。現在これらの遺伝子について現在その配列解析をほぼ終えたところである。使用したmulticopy libraryはgenomic由来のものを使用したため、それぞれの遺伝子断片には3から5個の0RFがコードされており、現在どの0RFが目的のPsychosine耐性に関与しているかを検討中である。また、関連する種々の変異株を収集しており、これらについてPsychosine耐性の程度を調べることによっても、Psychosine耐性遺伝子の特定を行っている。 (2)免疫組織染色法による方法 これに関しては現在進行中であるが、今のところアクチンフィラメント巨大隗と細胞膜の違いを明らかにするに至っていない。
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