研究課題/領域番号 |
13470489
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大熊 芳明 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (70192515)
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研究分担者 |
浴 俊彦 理化学研究所, 細胞生理研究室, 先任研究員 (40192512)
横井 雅幸 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (00322701)
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キーワード | 転写メディエーター複合体 / RNAポリメラーゼII / 基本転写因子 / TFIIE / TFIIH / CTD / リン酸化 / Znフィンガー領域 |
研究概要 |
1.転写メディエーター複合体の精製と解析 転写メディエータは、転写制御シグナルをRNAポリメラーゼII(Pol II)へと伝える媒介因子である。これは20数個のサブユニットよりなる巨大複合体であるが、その一つのサブユニットにタグを付けてヒト培養細胞にて発現させ、細胞核抽出液からメディエーター複合体をアフィニティー精製し機能解析している。 2.ヒトTFIIEαのZnフィンガー領域の構造解析 ヒトの基本転写因子TFIIEは、αとβの2サブユニットがα2β2の4量体を形成し、転写開始と伸長への移行に機能する。αは中央のコア領域にZnフィンガーモチーフを有しており、この欠失変異体は試験管内転写系においてドミナントネガティブとして機能することから、転写において重要と考えられる。さらに原核生物である古細菌類にも最近、ヒトTFIIEαのZnフィンガー領域を含むN末端領域だけがホモログとして存在することが示され、種を越えた機能の重要性が考えられている。そこで我々は、この領域をNMRにより構造解析した。その結果、亜鉛依存に構造を形づくる、Znフィンガーモチーフであることが実証された。その機能について、現在解析中である。 3.Pol IIの転写開始から伸長への移行段階の解析 昨年度、線虫TFIIEβホモログを用いて、Pol II最大のサブユニットC末端の7アミノ酸繰り返しCTD配列の2番目と5番目のセリンのTFIIHによるリン酸化のうち、5番目のセリンリン酸化が転写伸長への移行活性と密接な関連性があることを示してきた。そこで、今年度はさらにβサブユニットのC末端にTFIIEのこの転写伸長への以降活性に関与する領域があることを見い出した。この領域内のアミノ酸残基を点突然変異により置換すると移行活性のみならず、Pol IIリン酸化活性も大きく低下した。
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