研究課題/領域番号 |
13470490
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
植田 弘師 長崎大学, 薬学部, 教授 (00145674)
|
研究分担者 |
水野 恭伸 長崎大学, 薬学部, 助手 (40311865)
吉田 明 長崎大学, 薬学部, 助教授 (70257187)
|
キーワード | 神経細胞死 / アポトーシス / ネクローシス / 虚血 / モデルマウス / 初代培養 / 無血清ストレス / 脳神経疾患 |
研究概要 |
これまで、無血清培養による飢餓ストレスが、脳虚血に見られる虚血焦点(コア)とその周辺(ペナンブラ)を模した細胞培養系であることを様々な観点から証拠付けた。さらに生体内では細胞破壊的なネクローシスから細胞死収束的なアポトーシスへの変換が生ずるが、全く同様な現象がこの培養系で観察された。培養上清に見出された細胞死抑制蛋白質NDIはネクローシス細胞から放出され、周りの細胞を細胞死から保護する、もしくはアポトーシスに変換させるというメカニズムを持つことが示唆されている。その一方で高密度培養時は細胞死が遅延するが、そのとき発現が誘導されるHDS遺伝子を見出している モデル細胞系として培地中にテトラサイクリンを添加することによりHDSの発現が増加もしくは減少するPC12細胞株を樹立した。今後はこれらの細胞に対して各種の細胞死誘導を行い、細胞死抑制能や細胞の形態変化などを検討し、HDSの細胞死抑制メカニズムに迫る。また、マウス個体を用いた神経細胞死評価系として、頸動脈結紮モデルと網膜虚血モデルを検討した。頸動脈結紮モデルでは海馬周辺の神経細胞が脱落するが、細胞死の形態はネクローシスであることを確認した。網膜虚血モデルは眼圧上昇による細胞死であり、ネクローシス像が所々に認められたが、その周辺にはアポトーシス像も観察された。さらにネクローシスによる細胞死がガラス体へのNDI投与により緩和され、NDIアンチセンス投与ではより重篤なネクローシスへ誘導されることが観察された。
|