研究課題/領域番号 |
13470491
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
野瀬 清 昭和大学, 薬学部, 教授 (70012747)
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研究分担者 |
森 一憲 昭和大学, 薬学部, 助手 (60349040)
金山 朱里 昭和大学, 薬学部, 助手 (10338535)
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60245876)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | レドクス / 酸化ストレス / LIM蛋白質 / Hic-5 / c-fos / 核マトリクス / 核移行 |
研究概要 |
過酸化水素誘導性遺伝子として分離したHic-5蛋白質は、繊維芽細胞では接着斑に局在し、細胞外基質からのシグナル伝達に関与すると考えられるが、酸化ストレスにより接着斑から核へ可逆的に移行する。類似体のパキシリンは移行しない。Hic-5の核での標的遺伝子を強制発現した細胞で検索したところ、c-fos遺伝子の発現が上昇することが明らかとなった。c-fos遺伝子ではHic-5応答領域は5'-上流約1.5kbにあり、ここには多くの転写エレメントが存在する。しかし、血清応答エレメントとは異なっており、Sp1配列を中心とするHic-5応答エレメントと予想された。c-fos発現は、AP-1を介して細胞外基質遺伝子の発現を制御すると考えられる。一方、既に相互作用因子として単離しているPTP-PESTに関し、酸化ストレスによるHic-5の核移行に対する効果を検討した。PTP-PESTの強制発現によりHic-5の核移行は有意に阻害され、チロシンホスファターゼ活性を欠失させた変異体でも同様な作用が見られた。PTP-PESTはHic-5のLIM3に結合することを既に明らかにしているが、この結合によりadapter蛋白質として作用している可能性が考えられる。Hic-5蛋白質は酸化ストレスにより局在を変化させるだけでなく、シグナル伝達の制御にも関与することが示唆された。さらに、Hic-5蛋白質がこのドメインを介してオリゴマーを形成することを見いだした。Hic-5同士の相互作用はLIM4ドメインが必要である。酸化ストレスにより、Hic-5の核マトリックスへの結合が顕著に上昇した。Hic-5は、他のLIM蛋白質、シグナル分子との相互作用に加えて、オリゴマーを形成して核マトリックスに局在し、遺伝子発現制御に関与する可能性が考えられた。
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