研究課題/領域番号 |
13470493
|
研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
菅原 一幸 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (60154449)
|
研究分担者 |
三上 雅之 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (20330425)
山田 修平 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (70240017)
北川 裕之 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (40221915)
多屋 長治 財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所・実験動物部門, 主任研究員 (90175456)
浅野 雅秀 金沢大学, 医学部, 教授 (50251450)
|
キーワード | コンドロイチン硫酸 / ヘパラン硫酸 / 硫酸基転移酵素 / コンドロイチン合成酵素 / コンドロイチン重合因子 / グリコサミノグリカン / ガン抑制遺伝子 / EXT |
研究概要 |
ヒトガン抑制遺伝子EXTファミリーメンバーの一つEXTL2はヘパラン硫酸(HS)の生合成に関わり、コアタンパク質との結合領域四糖に最初のα-GlcNAcを転移する酵素をコードする。そのマウスホモログの細胞外ドメインを可溶性タンパク質として大腸菌で発現させ、EXTファミリーで始めてX線結晶構造解析に成功し、触媒ドメインの3つのアミノ酸を同定し、酵素反応機構を解明した。 EXTファミリーメンバーEXT1とEXT2はともにHSにGlcNAcおよびGlcAを転移し伸長反応できるが、単糖しか転移できず、これまで重合化反応は成功していなかった。今回、両酵素の遺伝子をCOS-1細胞で同時に発現させて精製し、結合領域四糖構造をもつトロンボモジュリンおよびグリピカンのコアタンパク質、あるいは人工基質を受容体として、200kDaを越える高分子ヘパランの合成に成功した。 ヒトのコンドロイチン合成酵素のホモログを見い出し、cDNAをクローニングし、コンドロイチン合成酵素cDNAと共発現させ精製したものを酵素原、トロンボモジュリンやGlcA-Gal-人工アグリコンを受容体基質として、高分子コンドロイチンの重合化に成功し、コンドロイチン重合化因子と名づけた。 線虫のゲノムデータベースにコンドロイチン合成酵素のオルソログを見出し、cDNAをクローニングし、GalNAcとGlcAの転移活性を確認し、二本鎖RNAを用いてRNAiを行ったところ、コンドロイチンの合成の阻害とともに細胞質分裂の阻害と細胞分裂の逆転現象を認めた。正常な培養線虫細胞から酵素的に細胞表面のコンドロイチンを除去しても同じ現象を認め、コンドロイチンが細胞分裂に必須であることを示した。 コンドロイチン硫酸とデルマタン硫酸を合成するヒトの3種類のGalNA 4-硫酸基転移酵素をクローニングし、基質特異性の相違を明らかにした。デルマタンGalNA 4-硫酸基転移酵素-1はIdoA-GalNAc-IdoA、IdoA-GalNAc-IdoA、IdoA-GalNAc-IdoAの配列中のGalNAcに硫酸基を転移することが分かった。
|