研究課題/領域番号 |
13470506
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳永 勝士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
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研究分担者 |
贄田 美江 (株)メディネット, 分子免疫学研究所, 主任研究員
屋部 登志雄 東京都赤十字血液センター, 技術部・研究一課, 係長(研究職)
土屋 尚之 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60231437)
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キーワード | クラスI抗原受容体 / NKレセプター / KIR遺伝子群 / NKG2遺伝子群 |
研究概要 |
NK細胞受容体遺伝子群のうちKIR、LIR、NKG2遺伝子群の解析を進め、前年度よりさらに多くの遺伝子多型について解析可能となった。これらを用いて日本人における対立遺伝子および遺伝子型頻度を求め、いくつかの疾患との関連分析を行なった。KIRに関しては前年の12種類に5種類(2DP1、3DP1、2DL5、KIR1D、3DL3)を追加、合計17種類の遺伝子について健常人を解析し、各遺伝子やその組み合わせの頻度を明らかにした。LIRファミリーのうち、ILT2については、多数の多型を見出したうえでリウマチ性疾患との関連分析を行なったところ、関節リウマチとの有意な関連を認めた。ITL6についても解析し、正常型と欠失型の頻度を明らかにした。水痘帯状庖疹ウィルスの再活性化により引き起こされる帯状庖疹患者および帯状萢疹後神経痛(PHN)患者におけるNK細胞受容体遺伝子群の多型解析及びそのリガンドであるHLA遺伝子群の多型解析を行った。PHN患者ではHLAの特定のハプロタイプとの関連を見出したが、HLA領域内に存在するNK受容体NKp30遺伝子多型との関連は認めなかった。さらに、PHN患者で特定のKIR型頻度が高いという予備的結果を得た。前年度に見出したNKG2C遺伝子欠失について、その領域の塩基配列決定を行ない、切断点を特定することができた。さらにオランダ人でもこの欠失遺伝子頻度が日本人同様に20%にも達すること、またその切断点が同じことから共通起源に由来することを明らかにした。これらに加えて、新たに見出したHLAクラスI欠損者について詳細に解析した結果、タパシン遺伝子の欠損がクラスI発現不全の原因であることを明らかにし、欠損者のNK細胞受容体レパートリーを解析した。
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