研究課題/領域番号 |
13470512
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
渡邉 裕司 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (10012642)
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研究分担者 |
東田 道久 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助手 (20207525)
松本 欣三 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助教授 (10114654)
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キーワード | 痴呆 / 両側総頸動脈永久結紮 / 遺伝子発現 / RT / PCR / 釣藤散 / ツメガエル卵母細胞 / セロトニン / 興奮性アミノ酸 |
研究概要 |
慢性脳虚血を行った痴呆モデルラット脳中よりDifferentaial Display法により単離した新規因子vof-21に関し、昨年はその全長および脳内分布を明らかにした。本年はそれに引き続き、その生理機能を明らかにするための実験を行った。Vof-21は、培養NG108-15細胞系にも存在することをRT/PCR法により確認した。その発現を抑制し、機能を検討するためには、アンチセンス法が有用であると考えられるが、アンチセンスを効率的に導入する手法として、pH感受性のリポソームが有用であることを明らかにした。同手法を用いて、細胞増殖、神経分化、細胞内Ca2+動態への影響を引き続き検討している。また、ヒトでの配列解析やゲノム上流域での解析も引き続きすすめている。漢方処方・釣藤散が学習障害を改善することを昨年までに明らかにしたが、その釣藤散のvof-21発現におよぼす効果についても検討し、釣藤散はラット脳中において、慢性脳虚血4日後にみられるvof-21の発現上昇を抑制する可能性が見い出された。詳細についてはさらに現在検討中である。また、釣藤散はマウスの薬物誘発睡眠の増強作用を有していることも明らかとなった。釣藤散中の生薬・釣藤鈎の成分であるpteropodineおよびisopteropodineはラット脳RNAを微量注入したツメガエル卵母細胞上に発現したアセチルコリン、セロトニン受容体の惹起する電流応答を強く増強した。その分子機構については現在検討中である。一方、rhynchophyllineおよびisorhynchophyllineは、同様の系でNMDA電流応答を非競合的に抑制した。その作用部位は既知のいずれの部位でもないことが推定された。
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