研究課題/領域番号 |
13470512
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
渡邉 裕司 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (10012642)
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研究分担者 |
東田 道久 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助手 (20207525)
松本 欣三 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助教授 (10114654)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 記憶学習 / 両側総頸動脈永久結紮 / differential display / cloning / pH-sensitive liposome / antisense / oxindole alkaloids / Xenopus oocyte |
研究概要 |
慢性脳循環障害による痴呆のモデル動物としての両側総頸動脈永久結紮(2VO)ラットは、進行性の神経細胞変性ならびに白質の粗鬆化を生ずる。その分子的機序を解明する目的で、内因性の関連因子の遺伝学的手法による単離をおこなった。2VO、4日後の脳中で発現が著しく増大する因子を見い出し、vof-21と名付けた。vof-21は、全長は4,885ntであり、転写されるアミノ酸は265残基と推定された。発現のピークは虚血後7日であり、その後ほぼ対照群レベルに戻った。脳、肺に発現が多く、次いで胸腺での発現が多かった。またin situ hybridizationでの結果より、青班核や海馬での発現が顕著であった。Vof-21は培養細胞NG108-15中にも存在することがPCR法により確認された。この細胞での発現をアンチセンスの導入により抑制することを目的とし、pH感受性のリポソーム法の基礎検討をおこない、条件を確立した。その手法を用いた単離因子の生理機能については、現在Ca2+チャネルをはじめとしたイオンチャネルとの関連性の観点から検討を続けている。一方、実験的学習行動障害を予防することから神経変性疾患の治療薬として期待されているカギカズラ属薬用植物に含まれるインドールアルカロイドの作用機序に関する研究を、電気生理学的手法に基づいて行った。その結果、オキシンドールアルカロイドのうち5環系のpteropodineおよびisopteropodineがムスカリン性M1およびセロトニン5-HT2受容体活性を増強すること、ならびに4環系のrhynchophylline、isorhynchophyllineがNMDA受容体機能を抑制することが見い出された。学習障害にはムスカリン性受容体の抑制や、NMDA受容体の亢進が関与することが古くから示されていることから、これらインドールアルカロイドの逆方向への作用が抗痴呆作用に結びつくことが期待される。
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