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2001 年度 実績報告書

薬物トランスポーター群のmultispecificity発現機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13470513
研究機関金沢大学

研究代表者

玉井 郁巳  金沢大学, 薬学部, 助教授 (20155237)

研究分担者 崔 吉道  金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (40262589)
辻 彰  金沢大学, 薬学部, 教授 (10019664)
キーワードトランスポーター / OATP / OCTN / カルニチン / 有機アニオン / 腎 / 肝 / 膜輸送
研究概要

本研究では、非常に幅広く様々な物質を認識輸送する一部のトランスポーターについて、そのような基質多選択性がいかなるメカニズムによって生じるかについて検討した。
OCTNトランスポーターはNa^+依存的なカルニチン輸送に働くが、一方でNa^+非依存的な有機カチオン輸送に働く。このようなトランスポーターの多機能性メカニズムについては、Na^+の役割を明らかにすることが重要である。そこで、Na^+がOCTN2とカルニチン輸送の間でいかなる作用を示すか検討を行った。OCTN2を外来的に導入した安定発現HEK293細胞を作製し、そこから膜小胞を用いて、Na^+のカルニチン輸送における役割を調べた。その結果、Na^+の濃度勾配を駆動力とした二次性濃度輸送によるカルニチンの濃縮的輸送が生じることが明らかになった。一方、有機カチオン輸送にはNa^+がないことから、OCTN2を介した物質輸送には多機能性とともに、トランスポータータンパク質上で両者の機能部位が一部異なるために多様性が生じるものと考えられた。また、有機アニオントランスポーターのOATP-Cに着目したところ、本トランスポーターを発現させ、その良好な基質となるエストロン3硫酸輸送を測定したところ、Kmの異なるニカ所の機能部位の存在が示唆された。高親和性部位は生理的なエストロン3硫酸輸送に必須であると思われたが、低親和性部位の役割は明確ではない。このように見かけ上複数の機能部位の存在することにより、基質選択性に多様性が見られることも考えられた。今後はこれら両トランスポーターを用いて、いかなるトランスポーター上の構造がそのような多様性あるいは特異的基質認識に重要か見いだすことが必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ikumi Tamai: "Functional characterization of human organic aniors thimipatihg polypeptide B(OATP-B)in comparison with liver specific OATR-C"Pharmaceutical Research. 18・9. 1262-1269 (2001)

  • [文献書誌] Ikumi Tamai: "Na^+ coupled transport of L-carnitine via high affinity carnitine transporter OCTN2 and its subcellular localization in Kidney"Biocheimica et Biophysica Acta. 1512. 273-284 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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