研究概要 |
1.骨髄移植マウスの作製 本研究室における骨髄移植マウスモデルの諸条件を決定した。骨髄移植方法としては,放射線量および照射方法,骨髄増殖抑制剤投与の有無のよる差異,各サイトカインノックアウトマウスの種別による放射線量,無菌条件,移植細胞の置換率などを決定した。WILDタイプC57BL6/jマウスでは10GyTBI,2回分割照射法(4時間間隔),3週間の無菌条件にてほぼ100%の生存率がえられ,また99%以上の骨髄細胞置換率がえられた。Cylophosphamideなどの骨髄増殖抑制剤の使用による生存率に差異はなかった。10.5GyTBI,11GyTBIではそれぞれ80%,20%の生存率であった。TNFα,IL1β,IFNγなど各ノックアウトマウスをrecipientとした骨髄移植でも同様の結果であり,サイトカインノックアウトによる骨髄移植方法へのおおきな違いは認められなかった。しかし,骨髄移植後のマウス体重変動はWILDタイプに比べ2倍減少した。 2.IFNγノックアウトマウスをdonor,LDLRノックアウトマウスをrecipientとした骨髄移植マウスモデルによる検討(途中経過)上記の方法によりキメラマウスを作製し,骨髄移植後3週目より1.25%高コレステロール食負荷を6週間または12週間加えた動脈硬化領域の定量を実施中である。N=3の時点ではIFNγノックアウトマウスの血中TC(IFNγKO 1748mg/dl,WILD 1615mg/dl),TG(IFNγKO 80mg/dl,WILD 125mg/dl),FFA,脂質プロフィール,AST,ALTはコントロール(WILDマウス骨髄をdonorとしたもの)に比べて,おおきな差異は認められていない。
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