研究課題/領域番号 |
13470517
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
清島 満 岐阜大学, 医学部, 教授 (10171315)
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研究分担者 |
山田 泰弘 岐阜大学, 医学部, 助手 (10324295)
和田 久泰 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (10283300)
斉藤 邦明 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (80262765)
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キーワード | Cytokines / Atherosclerosis / Bone marrow transplantation / Knockout mouse / Apoptosis |
研究概要 |
動脈硬化症は自然免疫と獲得免疫に基づく慢性炎症と考えられ、Th1系サイトカインの代表であるインターフェロンガンマ(IFNγ)は自然免疫および獲得免疫のどちらにも関与するため、動脈硬化との関係が従来から報告されてきたが、確立されたとはいえない。今回の研究では、動脈硬化研究発症の遺伝子操作マウスモデルである低比重リポ蛋白受容体(LDLR)欠損マウスの骨髄をIFNγ欠損マウスの骨髄に同種骨髄移植をおこなうことにより置換し、循環白血球からのIFNγ産生がない状態とある状態(ワイルドマウス骨髄の同種移植モデル)を比較検討することにより、IFNγの動脈硬化症への影響を検討した。6週齢の雄LDLR欠損B6マウスにγ線照射後、各ドナー骨髄細胞5×10^6個を尾静脈より投与、骨髄移植3週後より高脂肪食(1.25%コレステロール、15.1%脂肪、0.5%コール酸含有)を投与し、高脂肪食後3週、6週、12週での大動脈弁部病理切片および大動脈内部表面の動脈硬化領域を画像処理により計測した。また、細胞成分をMOMA2、CD4、CD8、α-SMAを免疫組織化学染色することにより、細胞間質成分をEVG、SR染色により同定した。IFNγ欠損により、高脂肪食3週後の発症期には差がなかったが、6週後の進展期では大動脈弁部でより大きな硬化巣がみられ(P<0.01)、大動脈内面では大動脈弓部(P<0.01)と腹大動脈部(P<0.02)において部分的に差がみられた。しかし、この大動脈内面での有意差は高脂肪食12週後の領域終末期においては差がなくなり、大動脈弁部においても一部に差が生じたのみであった。IFNγ欠損モデルではIFNγの骨髄増殖抑制効果により血中血小板が有意に増加していたため、進展期には血小板が大きな影響を及ぼすと考えられる。また、動脈硬化巣内では細胞成分、細胞数に差はなく、IFNγ欠損により細胞間質の増加がみられた。これはIFNγの血管平滑筋細胞への影響と考えられる。
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