研究課題/領域番号 |
13470532
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
加藤 登紀子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10101114)
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研究分担者 |
有野 直子(佐藤 直子) 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (00299934)
掛本 知里 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (60254562)
伊藤 景一 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (00191883)
飯田 晶子 東京女子医科大学, 看護学部, 助手
橋本 和可子 東京女子医科大学, 看護学部, 助手 (60307650)
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キーワード | ヘルスプロモーション / 女性 / ライフステージ |
研究概要 |
ヘルスプロモーション・モデル、女性のヘルスプロモーション・プログラムおよびライフステージやライフスタイルに関わる研究を中心に国内外の文献を収集し関連する概念について分析を行った。全体的に、ヘルスプロモーションの研究には、その概念を概要的に示したものや、実際に実施しているプログラムの紹介、評価を行ったものが多かった。各ライフステージ別に以下のようなヘルスプロモーションにおける特徴をまとめる。 30歳代:成熟期の女性のヘルスプロモーションに関する研究は、妊娠・分娩に関連したもの(妊婦教育、低出生体重児の出生の予防など)、慢性的な健康問題をかかえる子どものケアに関連するもの(子どもの健康問題の改善のための母親に対する介入など)の2群に分けられ、その結果から、個人に対する援助のみならずソーシャルサポートやセルフケアを促進するための環境の整備が重要であることが示唆された。 40〜50歳代:女性の成人中期のライフステージについては、その生理的特性や健康リスクを把握し、家庭、職場、地域、社会等における生活や役割の実態、意識調査、健康支援活動等についての文献検索を行った。その結果、ライフスタイルの改善、キャリアアップ、他世代への援助などのスキルを支援すると同時にこれらのニーズを満たすための施策化、環境づくりがヘルスプロモーションに資することが示唆された。また、在宅ケアにおける介護者のヘルスプロモーションに関する海外の研究動向を概観すると、慢性疾患を抱える高齢者の家族介護者の燃えつき、抑うつ傾向が顕著で、役割期待の変更に伴う悲嘆のプロセスも伴った介護の要求のために、大変脆弱な状態にある。介護者に対する更なるヘルスプロモーション戦略が望まれている。 65歳以上:主にこの年代に多く発生する生活習慣病を中心とした疾病予防、感染予防、転倒予防等、傷病の発生を予防することにより、高齢者の平均余命における健康度を維持し、QOLを高めるためのプログラムが多く示されていた。質的研究においては、主に高齢者のヘルスプロモーションの心理・精神的な側面が強調されており、量的研究においては、死亡率や受傷率などが評価指標として活用されていた。人口の高齢化とともに医療費が増大する中で、ヘルスプロモーション・プログラムの実施による、健康度の維持・増進は、ヘルスケアにおける重要な課題である。 次年度以降、分析された各概念間の関連性を明らかにすることで概観枠組みを示すモデルの作成を試みる。
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