研究課題/領域番号 |
13470537
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
河口 てる子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50247300)
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研究分担者 |
安酸 史子 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (10254559)
大池 美也子 九州大学, 医学部, 教授 (80284579)
小林 貴子 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50279618)
下村 裕子 慶應義塾大学, 医療看護学部, 助手 (20216138)
松田 悦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (40329181)
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キーワード | 患者教育 / Professional Learning Climate / 生活 / 生活者 / 手がかり行動 / 直感的解釈 / とっかかり行動 |
研究概要 |
研究目的は、「患者教育のための看護実践モデル」における「とっかかり/てがかり言動」「生活者に関する知識・技術」「病気と治療に関する知識・技術」、「教育方法に関する知識・技術」、「Professional Learning Climate(以下PLC)」の相互に重なる部分の概念的な明確化と各要素の詳細な分析を行うことである。分析事例は、看護師による152件の患者教育事例。分析に参加する看護研究者・臨床看護師は毎回11名から17名で、平均14名であった。分析は、研究者・臨床看護師自身の臨床経験、教育事例や先行研究、学習理論等により帰納的・演繹的の双方向に総合的に行われている。 「とっかかり/手がかり言動」は、患者が発する言語的・非言語的な信号・合図・情報であり、患者が行動変容するために障害が推測される言動である。また「直感的解釈」は、とっかかり/手がかり言動を看護者が心で直ちに感じ、看護者側から理解したことであり、意図的だけではなく、無意識的な解釈(なんとなく大事だと感じること)を含むものとした。PLCとの関係では、看護師自身が持つ「患者の自己管理に対する考え方」や「健康に対する価値観・信念」が、その時のとどまり方やその後の直感的な解釈を左右しており、PLCは「とっかかり/手がかり言動とその直感的解釈」の基盤的な要素を持っている。直感はたまたま起こった何かではなく、経験や専門技術、知識を含んだ特性の複雑な相互作用の結果であり、微妙なサインを的確に受け取り解釈するには、看護者として蓄積された医学的・療養生活上の知識や技術に支えられていることが明らかになった。 教育方法に関する知識・技術とPLCとの相違点は、PLCは具体的な技法が伴わないが、「教育方法に関する知識・技術」は具体的な「道具」としての技法が伴う。PLCは看護者の姿勢や考え方が中心であり、それを具体的な行動で表現する。
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