研究課題/領域番号 |
13480002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学技術史(含科学社会学・科学技術基礎論)
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
横山 輝雄 南山大学, 人文学部, 教授 (80148303)
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研究分担者 |
服部 裕幸 南山大学, 人文学部, 教授 (40110754)
柴田 正良 金沢大学, 文学部, 教授 (20201543)
美濃 正 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70181964)
戸田山 和久 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90217513)
柏端 達也 千葉大学, 文学部, 助教授 (80263193)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 人間原理 / 観測選択効果 / 終末論法 / 宇宙原理 / コペルニクス原理 / 目的論的説明 / 地球外生命 / 宇宙の終焉 |
研究概要 |
1.「人間原理」をめぐる問題は、古代から存在していたことをギリシャ哲学にさかのぼって明らかにし、その言葉を用いないものを含めれば、問題は古代から存在していることを確認した。現在の問題状況は、直接には宇宙物理学における議論を出発点にもち、その後哲学者が議論するようになってきた経緯を論点整理とともに明らかにした。 2.「人間原理」は、「コペルニクス原理」ないし「宇宙原理」と対置されるものであるが、「弱い人間原理」は科学一般の方法を適用したものであり、単なる「選択原理」と同等であり、「人間」とか「観測」といった言葉は誤解を生む可能性があることを明らかにした。哲学的にみて重要なのは「強い人間原理」であり、それがいかなる意味で目的論的説明であるのか(あるいはないのか)を明らかにした。 3.人間原理が、宇宙の究極目的、字宙の終焉、地球外生命、進化論と生命の起源などの問題とどう結びついているのかを明らかにした。自然選択説の意義についても検討した。 4.観測選択効果、終末論法などの問題と人間原理の論理的関係を明らかにした。 5.人間原理が、宗教や倫理の問題とどう関連しているかを検討し、人間原理は人格神ではなく、伝統的に自然神学で想定されていたような、創造論あるいはデザイン論での神を問題としており、それは「哲学者の神」であることを明らかにした。しかし、そうした「神」は自然科学的な議論の必然的帰結ではなく、科学とは別次元の哲学的な議論の水準のものである。それはキリスト教の神の問題だけでなく、一般に霊魂(の不滅)の問題、あるいは仏教の輪廻思想の問題などとも関連していることを明らかにした。
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