研究分担者 |
澤木 啓祐 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20053225)
形本 静夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教授 (50053343)
内藤 久士 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教授 (70188861)
前嶋 孝 専修大学, 法学部, 教授 (70053147)
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研究概要 |
本年度は,動物を用いた基礎研究(テーマ1)として常圧低酸素環境下での高強度インターバルトレーニングがラット骨格筋の酵素活性に及ぼす影響,また,ヒトでの研究(テーマ2)として10日間にわたる間欠的常圧低酸素曝露が鍛錬者の血漿グルタミン濃度に及ぼす影響を検討した。 テーマ1では,若齢雄ラットを酸素濃度(常圧低酸素14.5%,常圧常酸素20.9%)およびトレーニング(コントロール,トレーニング)の2要因に基づき4群に群分けを行った。高強度インターバルトレーニングは,5-6日/週,9週間行った。実験期間終了時,下肢骨格筋(ヒラメ筋,足底筋)を摘出し,酵素(LDH,CS)活性を測定した。^その結果,両筋ともCS活性はトレーニングよって増大した。一方,両筋のLDH活性は低酸素トレーニング群が最も低い値を示した。これらの結果より,常圧低酸素環境下での高強度インターバルトレーニングは,無気的酵素活性の水準を抑制することで有気的な代謝適応をもたらすことが推察された。 テーマ2では,被験者として持久的競技種目選手13名が,常圧低酸素室(15.4%)に毎日10時間,10日間滞在した。実験開始前および実験期間中(1,3,6,10日目)朝食前に採血を行い酵素法により血漿グルタミン濃度を測定した。その結果,常圧低酸素室への間欠的な滞在によって血漿グルタミン濃度は1日目で有意に低下し,その後は一時的に回復傾向を示したものの,10日目には再び低下傾向を示した。これらの結果より,間欠的な低酸素曝露は免疫系細胞の機能を一時的に低下させるが,その低下は1週間以内に回復しその後再び低下する可能性があることが示唆された。
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