研究課題/領域番号 |
13480013
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研究機関 | 東亜大学 |
研究代表者 |
勝田 茂 東亜大学, 総合学術研究科, 教授 (70038446)
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研究分担者 |
鯵坂 隆一 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (70151058)
大森 一伸 東亜大学, 総合人間・文化学部, 講師 (20277792)
奥本 正 東亜大学, 総合人間・文化学部, 助教授 (70330727)
久野 譜也 筑波大学, 体育科学系, 講師 (70242021)
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キーワード | 高齢アスリート / 身体能力 / ライフスタイル / 筋量 / 骨密度 / 文部省新体力テスト / マスターズ大会 / ベテランズ大会 |
研究概要 |
本研究は、5年前に1回目の測定を行った高高齢エリートアスリートに対し、一昨年、昨年に引き続き測定を継続し、身体活動能力はどこまで維持できるかを検証することを目的とした。被験者は1999年に測定を行った全国各種マスターズ大会で活躍している80歳以上(一部女性は70代を含む)の高高齢エリートアスリート20名(男性8名、女性12名)及びコントロール14名(男性5名、女性9名)、合計34名であった。測定項目は全身持久力測定(VO2max)、等速性下肢筋力測定、MRIを用いた筋横断面積測定、DEXA法を用いた骨密度測定、文部省新体力テスト、その他の体力測定および、ライフスタイルに関する調査であった。文部省新体力テスト(高齢者用)においては、男性は筋力・柔軟性・敏捷性は10%以内の低下率であったが、歩行能力は-20%以上、バランス能(開眼片足立ち)は-50%以上と最も高い低下率を示した。女性も同様の傾向であったが、低下率は男性よりも小さく体力がよく保たれていた。等速性筋力では、男女とも高速(180deg/sec)における膝関節屈曲筋力の低下が著明で、これは筋横断面積において大腿四頭筋よりも屈筋であるハムストリングの低下率が大きいことと符合していた。VO2maxは20-25ml/kg/minで、5年間で約-20%を示し,男女とも同様の傾向を示した。骨密度の減少は数%に止まった。また、調査から多くのシニアエリートアスリートは、80歳代でも週2-3回、1回1-2時間の練習またはトレーニングを行い、年間数回の国内・国際大会に出場し、常に積極的に前向きに生きている様子が伺える。これらの被験者の中には50歳代・60歳代になってからスポーツを始めた者も多く、高齢化社会にあってスポーツも生きがいに足るものであることを示す、よい参考例になるものであると考えられる。
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