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2003 年度 実績報告書

埋没樹木の14C年代ウイグルマッチングによる火山噴火の高精度年代決定

研究課題

研究課題/領域番号 13480020
研究機関名古屋大学

研究代表者

中村 俊夫  名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)

研究分担者 小田 寛貴  名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 助手 (30293690)
奥野 充  福岡大学, 理学部, 講師 (50309887)
森脇 広  鹿児島大学, 法文学部, 教授 (70200459)
木村 勝彦  福島大学, 教育学部, 助教授 (70292448)
キーワード放射性炭素 / 樹木年輪 / ウイグルマッチング / 加速器質量分析 / B-Tm火山灰 / 白頭山火山 / 鬱陵島火山 / U-Oki火山灰
研究概要

本年度は,白頭山火山の10世紀頃の噴火に関連する火砕琉堆積物から採取した埋没樹木について,噴火による枯死年代をウイグルマッチングにより正確度をあげて決めることを進めた.昨年の調査で手に入れた別個体の炭化材を,目下分析中である.白頭山の噴火年代については,種々の意見が出されており,9世紀に別途の巨大噴火があったとの意見もある.そこで,本研究の結論であるAD935+8-5の噴火年代が妥当なものか否かについて,更に研究を進めている.また,ウイグルマッチングの精度をあげるために,屋久杉年輪の1年毎の調査を行い,自前の高精度の14C年代-暦年代較正データを作成することを計画したが,適当な材料を採取することが出来なかった,
また他の火山噴火の研究として,鬱陵島の噴火年代を検討した.日本に分布するU-Okiテフラは,9.3-9.6kaBPの年代が与えられるいる.この年代を,正確に評価することを目的として,鬱陵島の調査を行った.鬱陵島では,ATテフラ(2.5kaBP)以降のテフラとしてU1,U2,U3,U4の4層が区分されている.今回の調査でも,U2,U3,U4が確認でき,それぞれから,年代測定試料(木炭片,土壌,など)を採取することが出来た.予察的な結果として,U2テフラにより炭化した樹木片の14C年代が約5kaBP(丸太材として採取しウイグルマッチングを実施することは出来なかった),U3直下の土壌が7.5-8.0kaBP, U4直下で採取した木炭片および土壌が,それぞれ12kaBP,10-12kaBPと得られた.これまでは,U2,U3,U4は9.3-9.6kaBP頃にほぼ同時に噴出したものと考えられてきたが,この定説とは大きく異なる結果が得られた.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 中村俊夫: "本木樟谷製炭窯跡群の製炭窯跡から出土した木炭のAMS14C年代"本木樟谷製炭窯跡群-ビッグフォーレストリゾート開発事業に伴う発掘調査報告書,石川県能都町教育委員会(編). 306-311 (2003)

  • [文献書誌] 中村俊夫: "宇豆柱の直下に敷かれていた葉片のC14年代"出雲大社境内遺跡発掘調査報告書,大社町教育委員会(編). 349-352 (2004)

  • [文献書誌] 中村俊夫: "14C年代の暦年代較正と海洋リザーバー効果"名古屋大学加速器質量分析計業績報告書. 15. 103-112 (2004)

  • [文献書誌] 中村俊夫, 福本浩士, 光谷拓実, 他: "年輪年代と14C年代の比較"名古屋大学加速器質量分析計業績報告書. 15. 206-204 (2004)

  • [文献書誌] T.Kobayashi, M.Okuno: "The mode of eruptions and their tephra deposits"Global Environmental Research. 6(2). 29-36 (2003)

  • [文献書誌] 奥野 充, 五島直樹, ほか: "由布火山北麓に分布する腐植質土壌層の炭素14年代学"名古屋大学加速器質量分析計業績報告書. 15. 35-40 (2004)

  • [文献書誌] 中村俊夫: "「放射性炭素年代測定法と暦年代較正」,「環境考古学マニュアル」の執筆分担"同成社. 301-322 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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