研究課題/領域番号 |
13480028
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
的場 輝佳 奈良女子大学, 人間文化研究科, 教授 (10027196)
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研究分担者 |
寺尾 純二 徳島大学, 医学部, 教授 (60093275)
高村 仁知 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (70202158)
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キーワード | 活性酸素 / フリーラジカル / ラジカル捕捉活性 / 活性酸素消去能 / ポリフェノール / 野菜 / 植物性食素材 / 動物性食素材 |
研究概要 |
遺伝子や生体膜などに損傷を与えることにより、老化・ガン・生活習慣病などを引き起こす要因である「活性酸素」を消去する成分が食物中に含まれ、健康の維持に重要な役割を果たしていると考えられている。しかし、食物中に存在する活性酸素消去成分が、調理過程でどのような変化を受け、実際の食事でどの程度、有効に摂取できるのかについては明らかではない。本研究では、植物性・動物性食素材および調理過程を経た実際の食事献立中に含まれる活性酸素消去成分の有効性を追跡しながら、個々の有効成分の消長を分子レベルで明らかにするとともに、生体内における有効成分の挙動についても解明することにより、活性酸素消去成分の役割に科学的根拠を与えることを目的として研究を遂行した。 (1)調理操作のモデルとして、「煮る」(水中での加熱)操作を行い、これによる活性酸素消去能の変化を本研究室で開発したDPPH-HPLC法を用いて解析した。 (2)モデル調理操作前後のそれぞれの食素材について、有効成分を水、アルコール、ヘキサン等の溶媒で抽出した後、カラムクロマトグラフィー、HPLC等によって分画を行う。各画分について活性酸素消去能の存在をDPPH-HPLC法で確認しながら、HPLC-PDAを用い、選択的に定量を行うことにより、調理操作後において有効に作用する活性酸素消去成分の存在量を分子レベルで明らかにしつつある。 (3)ポリフェノールと抗酸化ビタミンであるアスコルビン酸やトコフェロールとの相互作用について解析した。 現在のところ、種々の野菜について、活性酸素消去成分の本体であるアスコルビン酸および個々のポリフェノール化合物の存在量と調理操作中の変化を明らかにしつつある。さらに、ポリフェノール化合物は構造によって、活性酸素消去能が異なること、また、アスコルビン酸やトコフェロールとの相互作用が異なることを明らかにした。
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