研究概要 |
1.環境化学教材の開発:廃棄物を用いた環境化学教材について,(1)重金属実験廃液を用いた反応サイクル実験,(2)使い捨てカイロの廃棄物を用いた鉄の還元反応の実験,(3)食用廃油を用いた反応サイクル実験を開発した。また,二酸化炭素の溶解度に関する化学実験教材を開発した。これらの実験教材を環境化学教育に応用する具体的な学習プログラムを開発した。 2.教育実践的研究:地域の水環境調査を取り入れた小学校における環境学習プログラムを提案し,試行授業を通じて分析評価した。また,本研究で開発した環境化学教材を高等学校「理科総合A」の学習内容と密接に関連させて導入し,環境保全関連施設の見学,環境問題についての調べ学習,物質のリサイクルに関する化学実験,学習成果の発表会などを盛り込んだエネルギー・環境教育プログラムの試案を作成し,教育実践的研究を行った。 3.指導者養成:教員養成系大学・学部における基礎化学教育カリキュラムについて検討し,環境教育指導者養成の立場から,その内容,構成,および到達目標を含んだモデル・コア・カリキュラムを提案した。また,エコミュージアムを環境学習の場として捉え,学芸員養成についての日米比較を通して指導者養成のあり方を探った。 4.国内外の環境教育:アジア-アフリカ地域における環境教育の現状分析をもとに,環境教育推進のために日本の果たすべき役割を論じた。国内においては,地域における就学前段階からの自然体験型学習による環境教育の重要性について,「妖精ムッレ活動」の事例をもとに分析評価を行った。
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