研究分担者 |
三宅 征夫 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 部長 (50000071)
藤井 良宜 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (10218985)
山口 悦司 宮崎大学, 教育文化学部, 講師 (00324898)
猿田 祐嗣 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (70178820)
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研究概要 |
TIMSS1995の理科課題のうち,小学校と中学校で共通の課題を中心に,日本の児童・生徒の記述文をすべてテキストデータにしてエクセルデータとして分析した。特に,誤答の児童・生徒の回答を対象に特徴を分析した。その結果,誤答の児童・生徒には,次のような傾向が示唆された。 (1)課題文に含まれる言葉や,図に示されたものの名称を使って回答する傾向がある。 例えば,農地と川の課題の「土」「砂」「ねん土」「どろ」や,暑い日の課題の「かわく」等 (2)目に見えない,自然の仕組みへの言及が少ない 次に小・中学校の論述課題のから,回答コード10または回答コード20がもっとも科学的な回答と見なすことのできる課題を対象に,日本の児童・生徒の回答コード10または回答コード20の該当率と国際平均正答率を比較した。その結果,日本の児童・生徒は科学的な言葉を学習するとその言葉を用いて回答することがわかった。また,多面的に物事を捉えていくことや目の前の現象の裏側で起こっていることを説明するのが苦手であることも追認された。 児童・生徒の回答にみられる特徴をさらに明らかにするため,テキストマイニングソフトウエアWordMinerを分析に導入した。そして,日本の生徒の正答率が以前より低いと指摘されている「燃焼」に関する課題の回答を単語に分解して分析を試みた。この分析によって,各回答コードに特徴的な言葉を抽出することができることが確認された。とくに,日本に特有な回答コードを特徴づける言葉を抽出できた。 この方法は,1つの課題の回答を分析するのに膨大な時間を要するが,有意味な結果が得られることがわかったので,現在,個々の課題に対する回答コードごとの特徴的な旨葉の分析を継続中である。
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