研究課題
本研究は、科学系の授業を題材に、その実践に関わる問題点を明らかにすると共に、授業実践能力の向上を図る支援システムを開発し、今後の科学教育支援の在り方について現場の教師を含む実践レベルから議論を高めていくことを目的としている。今年度本研究では、まず学生を研究補佐員として多数協力させると共に、附属学校教師を中心とする現場教師を研究支援者として参加させ、研究の組織ネットワークを形成した。そして、授業実践能力に関わる要因を明らかにすると共に、その評価枠組みを構築しながら、科学系授業実践能力向上のための支援システムのサンプルとして、大学生による小学校理科ビデオ番組制作、教育実習生のための理科授業観察ワークシートを開発し、その利用可能性を検討した。また、教育実習生の実習授業及び研究授業・研究協議を題材とした、クラスルーム・ビデオスタディの試験的な試みも行われ、多角的にその実用性が検討された。さらに、視能訓練士養成におけるコンピューターを利用した教育システムの開発として、コンピューターを利用したレンズ、プリズムの原理に関する学習システムの開発やコンピューターを利用した視力検査方法の開発と検査技術の育成も行われている。こうした研究成果は、日本科学教育学会、日本理科教育学会等様々なところで発表され、直接的・間接的に関わる様々な領域の科学教育研究者と情報交換が行われた。成果の一部は既に雑誌論文として発表されている。現在、コンピュータや分析機器を用いた、統計指標を含む系統的なデータ収集と分析が行われており、支援システムに最適な教材・教具のサンプル開発と併せて、来年度早々にその成果は発表予定である。
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