研究分担者 |
越川 浩明 千葉大学, 教育学部, 教授 (60000866)
藤谷 哲 目白大学, 短期大学部, 講師 (90331446)
加藤 浩 メディア教育開発センター, 研究開発部・学習リソース研究開発系, 助教授 (80332146)
高橋 正 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (30179494)
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研究概要 |
平成14年度は、以下のような小学校・中学校・大学・教育機関にてフィールドリサーチを行い、分散的ネットワーク上の学習コンテンツのもたらす学習者の情意面や理解面への影響を主に研究した。このことは、自己効力感と人の情意的側面や理解活動とが密接な関連をもつと考えたことによる。 【東京都公立Y小学校】 Web探索の授業を対象とした参与観察から、1,3,5年生の児童のWebブラウジング時の注視時間を分析したところ、以下の可能性が示唆された。 (1)学年が上がるにつれてWebページの注視時間が長くなる。 (2)注視時間の差には文章読解能力、領域固有知識、検索方略の発達が影響している。 【東京都私立T小学校】 【干葉県公立N中学校】 これまで,筆者らが開発した知識マップ付きWeb掲示板「NakSun」を用いて,中学校数学科の授業で協同学習を展開してきた.本年度は,学習への動機付けを図り一層の討論の活性化を目途とし,協同学習支援システムへ形成的評価がフィードバックされる機能を新たに付与した.すなわち,外部の評価者が携帯端末から学習者のノートを評価するとその結果が知識マップ上に反映されるシステムを開発実装した.これにより,形成的評価で高く評価されたノートには多くの参照が集まり,学習意欲が高まる傾向が見られた. 【T市教育センター】 不登校児童生徒のための電子掲示板を作成し、電子掲示板を使用したコミュニケーションをT市立教育センターに通う不登校児童生徒11名とカウンセラー3名で実施した。ログを分析した結果、体験学習の約1時間の実践で投稿が199あり、ほぼ全ての投稿が質疑応答などコミュニケーションを形作っていた。また、実践後アンケートに回答した児童生徒のほとんどが「楽しかった」、「また使ってみたい」と回答した。カウンセラーからは、「子どもたちのコミュニケーションの幅が広がった」、「子どもたちが真剣だった」という電子掲示板カウンセリングの可能性を示唆する観察結果が得られた。
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