研究概要 |
研究題目「現職教員向けリモートコンサルテーションシステムの構築と実用化への基礎研究」 本研究は本年度が第2年目に当たる.現職教員が求める授業内容・授業運営・学級運営・生活指導あるいは教員自身のメンタルヘルス等に関わる相談・指導助言を専門家・教育実践の熟練者から容易に得られるようにするシステム作りである.手段として,昨今の急速な情報インフラ整備を基盤に多地点テレビ会議システムを大学・県教育センター・県情報教育センター・市町村教育センター等,更に公立小・中・高等学校に配置し,専門家である大学教官が教育実践の熟練者である指導主事へ解説・指導助言する他,指導主事が一般教員に指導助言を行う.専門家の供給源は1大学だけに止まらず全国の大学を対象とする. 本年度の研究遂行の概要は,以下の通りである. 1.昨年に続き,専用テレビ会議システムを3台(ソニー製,PCS-1600×2台,PCS-6000×1台)購入し,PCS-6000によって多地点中継機能MCUを完備した.この結果,多地点テレビ会議システムとして6台同時送受が可能になった. 2.大学に4台,県情報教育センター,県教育センターへ各1台設置し,同時に6箇所で映像・音声によるコミュニケーションができるようになった.両センターへの設置ついては,2001年に実現された岡山大学・岡山県教育委員会連携協力会議の合意に基づいて,連携協力の一環として円滑に設置が認められた. 3.両センターへの設置により,岡山大学との間で,一人対一人,一人対多数,多数対多数という利用形態を想定したテスト通信を個別に行った.このテスト通信によって,種々の伝送条件と映像・音声の品質との相互関係がある程度解明できた. 4.大学として複数の協力体制の必要性も予測されるので,岐阜大学,香川大学,宇都宮大学,京都教育大学,福井大学,琉球大学とも同時に接続して,7大学間でのコラボレーションの可能性もテストした.MCUの機能が高い岐阜大学の装置を援用すると,同期して複数の大学と両センター間のコミュニケーションが可能である. ハード面では情報インフラの整備により本システムの実用化が容易であるが,今後は大学・センター間で活用する内容・運営体制などが課題である.
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