研究概要 |
研究題目「現職教員向けリモートコンサルテーションシステムの構築と実用化への基礎研究」 本研究は3カ年計画で実施されたが,現職教員が求める授業内容・授業運営・学級運営・生活指導等に関わる相談・指導助言を専門家から容易に得られるようにするシステム作りである.手段として多地点テレビ会議システムを大学・県教育センター・県情報教育センター・市町村教育センター等,更に公立小・中・高等学校に配置し,専門家である大学教官が教育実践の熟練者である指導主事あるいは一般教員に直接解説・指導助言する他,指導主事が一般教員に指導助言を同期的に行う.専門家の供給源は1大学だけに止まらず全国の教員養成系大学を対象とした.非同期的には,録画した授業や講演の映像・音声をストリーミングサーバを題してVOD形式で不特定多数に提供するシステムを付加した. 設置したテレビ会議システムを想定される事例ごと試行し,活用の得失と実用化への課題を抽出した.県情報教育センター・県教育センター間の他,公立小学校2校,県立高校1校,更に教員養成大学・学部6校の応援を得て,実践に即した運用実験を協力校/者,実験補助者と共に実施した.この結果を以下にまとめる. 1.ハードウェア面から,画質・音質が送受信時のトラフィックの負荷に左右される. 2.情報通信ネットワークセキュリティ技術が未だ不十分であるため,教育相談のプライバシーの保護が課題である. 3.授業の運営形態を多様化させ教師の力量形成に有効であった. 4.録画した授業,講演をストリーマサーバ経由でVOD方式により配信することは,現職教師のキャリアアップに有効であると好評であった. 5.国立大学教育実践研究関連センター協議会の協力を得て,本学以外の大学と県教育センター並びに県情報教育センターを多地点テレビ会議システムで結び,今日的教育課題について議論し本システムの機能を再確認した.
|