研究課題/領域番号 |
13480053
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
室橋 春光 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00182147)
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研究分担者 |
片山 順一 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (80211845)
田村 守 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (80089888)
諸冨 隆 作新学院大学, 学長 (60003951)
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キーワード | 発達障害 / ADHD / 自閉症 / 読み障害 / 到達運動 / 行動抑制 / 空間周波数特性 / 事象関連電位 |
研究概要 |
1.健常者をADHD傾向高低2群に分け、Go-Nogo課題などを遂行する際のfMRIによる脳画像解析を行った。その結果、計画段階における行動抑制に関しては左右前部帯状回の賦活の低さが、開始後反応の中止に関しては右尾状核の賦活の低さが対応していることがうかがわれた。 2.大学生及びLD児1名を対象として視覚・運動過程における順序学習課題を実施し、エラー数、反応時間、改善率を検討した。その結果、大学生に比べLD児では運動性記憶を有効に利用していない可能性が伺われた。 3.LD児を対象とし、視覚と固有受容覚が矛盾する状態下で到達運動過程を分析した。その結果、運動適応の困難さが内部モデル形成の困難さに基づくものであることが示唆された。 4.健常児及び自閉症児を対象とし、心拍を指標としてリズム聴取中の覚醒レベルを検討した。その結果、自閉症児においては過覚醒状態にあることが伺われ、反復リズム刺激聴取により覚醒状態が低下するものと考えられた。 5.自閉症における共感性の問題を検討するため、大学生を対象としてシューティングゲーム中及び参観中の脳波を測定し、共感性尺度と事象関連電位との関連性を分析した。その結果、高共感群では低共感群よりも、より大きなCNV・準備電位が認められた。この方法は、自閉症メカニズムの検討に有効な方法となりうることが示唆された。 6.読み障害メカニズムを検討するため、大学生を対象として、視覚刺激の変化知覚時の脳活動を事象関連電位を指標として分析した。また空間周波数知覚特性を事象関連電位を指標として分析する方法を開発した。その結果、視覚性変化検出機構を有効に反映しうるERP成分を同定し、さらに視覚処理に関わる大細胞系と小細胞系機能を短時間で検討しうる方法を開発した。これらは、読み障害を分析・検討するための有効な指標となりうることが示された。
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