研究概要 |
本研究プロジェクトは,日本の幼児・児童を対象とした子どもの『百のことば』の研究を進め,聖和大学プロジェクト・アイの構想に基づいて,母語としての日本語の2つの側面,すなわち(1)定型詩(韻文詩)および(2)自由詩(散文詩)の両面から,幼児・児童の日本的『百のことば』のデイスクールを討究するものである。これは聖和大学プロジェクト・アイの中核を担うものである。そこで3年目である平成15年度の当研究の下記の設定された6つの目標は基本的に達成した。その課題の実施状況は,次のようである。 1:定型詩の研究では,子どもの定型詩をニューメディアの使用を中核として,その整理と発表を行った。 2:自由詩の研究では,3箇所の保育所からの自由詩の採集を行い,口頭詩の作成場面をビデオに収め検討した。保育者の役割が重要であることがその結果から示された。 3:レッジョとの比較研究では,プロジェクト・ゼロの中核を担ったG.フォーマンと昨年に引き続き事前の研究・協議を経てNAEYCでの共同研究・発表を行った。本研究が採用している言語的アプローチはレッジョにはないアプローチであることを提示し、今後レッジョの示す認知論と関連を検討していくなどの課題が示された。 4:NAEYCでの発表は予定通り玉置・石垣が中心となって発表を行った。特に、定型詩の製作過程におけるニューメディアの果たす役割についての分析、定型詩・自由詩における作品の発表などが評価を受けた。 5:日本乳幼児教育学会の発表でも,数名の調査協力者を得て定型詩の採集場面・プロセスの分析を行った。 6:最終年度のエクスヒビジョンの可能性を探るという点では,大阪府豊中市において実現可能との感触を得ているので,次年度の計画を予算配分などの細部を詰めていくことにする。
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