研究分担者 |
金森 敬文 東京工業大学, 数理・計算科学専攻, 助手 (60334546)
藤澤 洋徳 統計数理研究所, 領域統計研究系, 助教授 (00301177)
南 美穂子 統計数理研究所, 統計基礎研究系, 助教授 (70277268)
松浦 正明 (財)癌研究会, ゲノムセンター, 部門長 (40173794)
村田 昇 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (60242038)
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研究概要 |
本研究課題の最終年度であり,この研究サポートによって始められた研究アプローチについて,各グループおよびグループ全体であげることのできた具体的な成果は,以下の通りである. 1.バイオインフォマチックスへの挑戦 9月の日本統計関連学会連合大会2003・企画セッションにおいて,「SNP統計解析における統計的諸問題」を松浦,江口が企画した.11月に柳川教授(九州大学)の紹介で,P.K.Sen教授(ノースカロライナ州立大)の公開講演会をオーガナイズした.それに先立ちSen教授に研究プロジェクトについて紹介し,意見,協力を求め,将来の共同プロジェクトの話し合いを行った.また前年度,癌研究会ゲノムセンターとの共同研究で行ったSNPハプロタイピングの研究がBio informaticsに掲載予定,国際特許中請中である.次なるプロジェクト,SNPハプロタイプブロックの同定問題について藤澤主導で進行中で論文準備の段階にある.さらに月例のゲノム研究会においてプロテオームの関数データ解析についても同時進行している.遺伝子発現データのメタアナライシスについては,8月9月に滞在したJ.B.Copas教授(ウォーリック大学)との共同研究が開始された.このプロジェクトには逸見君(統計科学,総研大,修了予定)の積極的な参加がある.また遺伝子発現のデータベースについて,国立遺伝学研究所の舘野研究室を2度訪問し,意見交換を行った. 2.ブースティング法の拡大と統計理論 この3年間プロジェクトを通して行われた月例アダブースト研究会(村田,金森,江口,竹ノ内君(統計科学,総研大修了予定)も成果が出始めている.Uブースト・アルゴリズムの提案,統計的一致性とベイズルール同値性の両立について新しい理論が建てられた(Neural Computation掲載予定).また,イータブーストのミスラベル・ロバストネス(Neural Computation,2004,掲載)は医療診断などラベルの観測にノイズが入る場合に有効であることが示された.更に,水産資源データの解析において,サメ・イルカの混獲実態の推測と予測について,IATTCのLennert博士との共同研究が南,川喜田君(統計科学,総研大、博士課程1年)によって実施された. 3.独立成分分析と主成分分析 奈良で4月に開催されたICA国際会議第4回の組織委員(村田,南,江口)を勤めた.また自己組織化主成分分析(J. Machine Learning Researchに掲載予定)を1の遺伝子発現データに適用して好結果が得られた. 今後,更なる発展を目指して社会へ還元できるよう努力したい.そのための実用化が今後に残された課題であると認識している.
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