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2003 年度 実績報告書

時間と否定の概念を加えたりソート階層上の意味表現

研究課題

研究課題/領域番号 13480092
研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

東条 敏  北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (90272989)

キーワード時相論理 / イベントの論理 / 様相論理 / 信念改訂 / 信念融合
研究概要

本研究課題は言語のセマンティクスに対して、論理を拡張することによってその記述性を高めることである。本年度は下記のように研究を行ったので、その概要を報告する。
・まず、言語セマンティクスにとって時制とアスペクトの表現は最重要課題の一つである。従来の一階述語論理は静的な状態表現には適した表現であるが、時間軸上瞬間的に起こり時間に沿っで性質を変えるイベントの表現に対しては不充分である。本研究では当初よりOccurrence Logic、すなわちイベント(event, occurrence)を記述する論理を考案してきたが、本年はこのテーマで次の二点の成果を公表した。(i)ひとつは時間軸上に起こったイベントの言語表現に対して、その表現が未来と過去に遺伝性のあるものであるかをそれぞれ定義した右方遺伝性・左方遺伝性、およびより広い時間区間とより狭い時間での成立を定義した上方遺伝性・下方遺伝性を用いてそれらの性質を議論したことである。これにより、時間軸上のイベント列の依存関係を明示できるタイムマップを提示することができた。(ii)もうひとつの成果は同一イベントが状況の変化によって呼称を変える場合を扱う論理である。イベントの呼称はイベント間にも上位・下位の階層関係を定義しておくことで、より一般的な名称で述べられる場合を扱うことができるが、この階層関係は時間の推移によって変化する可能性があるので、時間の推移を様相論理として定義したTemporal Logicを用い、階層関係の時間依存性を表現する枠組みを実現した。
・人間の信念の表現は、時間の問題とともに重要課題の一つである。これまで信念改訂(belief revision)の問題は一人の人間の信念に対して研究されてきたが、複数エージェントの間で信念を共有・融合する問題は談話の理解などで重要な課題になっている。本年はこの信念融合の問題に対して、次のような成果を提示した。先行研究の成果では、信念のplausibilityは各個人のなかで全順序がつけられている必要があったが、それを部分順序でいいように拡張したことである。これにより、信念融合の問題はより現実的な問題に対して応用可能になった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 鈴木義崇, 東条 敏: "情報源を明らかな選考関係を信念とした融合"人工知能学会誌. 19・1. 57-67 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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