研究概要 |
本研究では,前年までに,仮想心理実験室の中核となる認知シミュレータを構築した.シミュレータは,「Wasonの2-4-6課題」という実験心理学で頻繁に取り上げられてきた課題を,2人の問題解決者(被験者)が協同して解決するプロセスをシミュレートする. 本年度は,開発されたVPLを,大学1年生を対象とした現実の授業場面に導入し,授業実践を行った.VPLのようないわゆるマイクロワールドを利用した学習は,多くのメリットを持つと同時に,その弱点も指摘されている.例えば,学習者は,マイクロワールド上での科学的活動に現実感を感じることができず,そこで種々の活動が,現実に結びつかない形式的,表層的な操作に終わってしまうことなどがあげられる.本研究では,そのような弱点を補うために,VPLを用いた仮想心理実験と,それを補う現実の心理実験とを組み合わせた授業デザインを提案し,実践活動を通してその有効性を検討した.授業実践の結果,良好な学習効果が得られた.
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