研究概要 |
本研究では,従来の問題点を克服し,人の直感,感性,身体性,空間性等を最大限に活用した柔軟な直接操作インタフェースを構築し,複数人が参加する3次元協調作業環境を高度に支援することを目的として,3次元協調作業システムを構築し,利用者の知覚・運動特性の分析を通して,高度な操作支援環境を構築するための次の3つの要素技術を確立した. (1)ユーザの運動特性の評価とその利用 3次元ポジショニングタスクにおける並進と回転運動の関わり合いや直接および間接指示環境での運動特性の比較・検討することで,知覚・運動特性を分析・解析した.またポインティング操作中のピーク速度とターゲットまでの距離に相関性を見出し,人の作業中の運動特性を調べ,作業効率向上と利用者負担の軽減を目指したポインティング手法を確立した. (2)対面型協調作業システムに関する研究 複数の利用者が立体像と3次元空間を共有できる立体画像表示装置の手法を確立し,3次元協調作業に適したユーザインタフェースについて,データの表示方法とインタフェースについて検討し,試作した.また,医療分野やその他での利用を想定してボリュームデータの表示方法や各方面への実利用について検討した.また,個人情報と公共情報を同時に扱うことができる装置を試作し,評価した. (3)仮想道具型インタフェースの検討 道具を仮想化することで,直感的操作を実現する可能性を見出し,また道具の諸パラメータに変更を加えることで試行錯誤性をもたらすことができた.また,このような道具により,人が使用法を習得する過程を観察することで,人の学習や認知機能を調査が可能になるとともに,よりよいインタフェースを構築するための指針を,fMRIを利用した脳機能の観察結果と比較することで,示した.
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